米海兵隊第31海兵遠征部隊の隊員らがアラビア海で、海上封鎖違反が疑われる商船「ブルースター3号」に乗り込み、捜索作戦を行っている。[米中央軍]
双方とも譲歩しない中、膠着状態が続く可能性が高い。ロイター通信によると、イランは4月末に提示した合意案で、「ホルムズ海峡の通航をひとまず再開し、終戦に合意した後、核問題交渉を続けよう」という「先開放・後交渉」方式を提案した。ここには、ウラン濃縮中断に同意しても、平和目的の濃縮権は認めてほしいとの要求も含まれていたという。トランプ大統領は当時、「私が同意できないことを求めている」としてこれを拒否した。
イランは今回の提案でも、終戦合意成立後、再び1カ月の期限を設けて核関連合意を進める段階的履行案を強調した。これに対しトランプ大統領は、イランが求める段階的合意ではなく、核とミサイル計画を含む一括妥結を望んでいる。
イランは経済問題のため、まずホルムズ封鎖を解除しなければならないとの立場が強い。ブルームバーグ通信は、原油輸出路が遮断されたイランが、原油貯蔵施設が急速に満杯になる、いわゆる「タンクトップ(Tank Top)」状態に直面し、すでに減産措置に入ったと伝えた。一度稼働を止めれば、油井が永久的に使えなくなる危険があるにもかかわらず、ほかに選択肢がないことを意味する。14項目合意案に経済回復条項が多数含まれたのも、同じ文脈とみられる。
◇米国、金融・軍事圧力を同時に強化
米国は金融制裁まで動員し、イランの海峡統制の試みを元から遮断しようとしている。米財務省外国資産管理室(OFAC)は1日、「ホルムズ海峡を安全に通過するため、イラン政権に通行料を支払う海運会社は制裁対象となり得る」と警告した。
軍事的圧力の動きも続いている。米国務省は同日、イスラエル、カタール、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)など中東諸国に対する86億ドル(約1兆3500億円)規模の武器販売を承認したと発表した。交渉長期化に備え、イラン周辺に対する軍事的優位を確実に握る狙いと解釈される。
◇「どちらが長く耐えるか」のエネルギー戦へ
問題は、米国も決して楽な状況ではないことだ。ワシントン・ポスト(WP)は、「米国の全国平均ガソリン価格が1ガロン当たり4.39ドルまで上昇し、戦争期間中の最高値を記録した。海峡閉鎖が続く限り、さらに上昇する可能性がある」と見通した。11月の中間選挙を控えたトランプ大統領にとって、高い原油価格は負担となり得る。
結局、今回の交渉は、どちらが長く耐えるかを競うエネルギー戦の様相を強めている。ロイター通信は、「イランが交渉再開のため新提案を出したが、双方はそれぞれ自らが優位にあると確信しており、立場の隔たりも大きく、明確な出口は見えない」とし、「交渉が早期の解決策をもたらす可能性は低い」と観測した。
実際、イランは状況がトランプ大統領に不利に流れている点を強調し、対米圧力の水準を引き上げた。イラン革命防衛隊(IRGC)傘下の情報機関(IO)は3日の声明で、「トランプの選択肢は減った」とし、「トランプは不可能な軍事作戦か、あるいはイランとの不利な取引のいずれか一つを選ばなければならない」と強調した。
原油あふれるイラン、原油高の米国…「どちらが長く耐えるか」の戦いに(1)
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