1995年6月の三豊百貨店崩壊事故当時、情報当局は北朝鮮の介入の可能性を調べるため現場活動を行った。 [中央フォト]
当時、比較的明確な物理的兆候を通じて事故とテロを区分することができた。判断と対応の基準も明確に作動した。しかしこうした事故が2026年に発生したと仮定してみよう。大型ビルが突然崩壊する。同時に近隣の通信網がまひし、SNSで「特定勢力のテロ」というコメントがすぐに広まる。一部のアカウントは崩壊直前に爆発音があったと主張し、映像まで編集して流布する。救助過程ではドローンが出現して現場を撮影し、救助指揮網には間欠的な通信障害が発生する。金融市場では関連企業の株価が急落し、外国系資金が流出する。こうした状況なら果たして2時間で撤収できるだろうか。
現場に投入された機関は即時判断に困難が伴う。これが単純な構造的の崩壊なのか、サイバー攻撃が結合したテロなのか、あるいは外部勢力が介入した複合工作なのか明確に区分できない。警察は事故として接近し、情報機関はスパイ容疑を考慮し、軍は介入の有無をめぐり判断を留保する。その間に虚偽情報は広がり、市場は揺らいで、社会的混乱は増幅する。
ハイブリッド戦争時代には脅威の形態が固定されていない。サイバー攻撃、世論操作、経済的圧力、非国家行為者の介入が同時に生じる環境では従来の法的範ちゅうで捕捉しにくい領域が引き続き登場する。こうした状況で情報機関の権限構造の差は、変化する脅威にどれほど迅速かつ柔軟に対応できるかを左右する核心要素となる。
米国の大統領行政命令12333号は情報機関が国家安全保障のためにあらゆる合法的手段を活用して情報活動を遂行できるように幅広い権限を付与しながらも、暗殺のような特定行為は禁止する。イスラエルは米国よりも柔軟な構造だ。国内保安情報機関のシンベトは2002年に制定されたシンベト法に基づき、国家安保保護、テロ防止、スパイ活動対応など内部安保全般を担当するよう規定されていて、具体的な手段を法律で列挙するよりも相当な範囲の裁量を認める。海外情報機関のモサドは法律に基づき設置した機関でなく首相の権限に基盤を置いて運営する首相直属情報機関であり、任務と活動範囲も首相の政策的判断により柔軟に設定される。
◆職務を具体的に列挙した国家情報院法の限界
米国とイスラエルのこうした構造は、ハイブリッド脅威環境で迅速な対応を可能にする。半面、韓国の国家情報院は国家情報院法第4条で「次の職務を遂行する」という形式で権限を具体的に列挙している。国外情報収集、対共・防諜、対テロ、国家機密保護など明示された範囲内だけで活動が可能だ。法に明示されていない新たな類型の脅威には対応が遅れたり事実上不可能になる構造的な限界が発生する。
ドイツは連邦情報局(BND)と憲法擁護庁(BfV)の機能を拡大しながら、サイバー・虚偽情報対応などに役割を広げている。日本も情報統合と海外情報力量強化を推進し、国会で日本版CIA「国家情報局」創設を議論している。両国ともに第2次世界大戦当時に情報機関の弊害を経験し、長い間その活動を厳格に制限してきた国だ。ハイブリッド戦争の時代、我々の情報対応体系は果たして何を準備しているのか。
チャン・ソクグァン/国家情報研究会事務総長
【コラム】ドイツ・日本も備えるハイブリッド戦争、韓国は何を準備するのか(1)
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