1980年、イランのタバス砂漠で失敗に終わった米軍の人質救出作戦「イーグルクロー作戦」の現場に残された残骸。[写真 米陸軍軍事史センター陸軍博物館 キャプチャー]
戦場は開戦5週目に入り、中東全域へと拡大する様相だ。5日、アラブ首長国連邦(UAE)当局は、西部のサウジアラビアとの国境付近にあるルワイスのボルージュ石油化学工場で、イランのドローン攻撃により火災が発生したと明らかにした。防空システムがイランのドローンを迎撃したものの、破片が落下して火災が発生し、工場の生産が中断されたという。
同日、バーレーンでは国営エネルギー企業バプコ(Bapco)の貯蔵施設内の原油タンクが攻撃を受けて火災が発生したが、現在は鎮火しており人的被害はないと伝えられている。イランのプレスTVは同日、約1500人の米海軍兵士がイランのミサイル攻撃の影響でバーレーンを離れたと報じた。クウェートでも石油施設や政府庁舎、発電・淡水化施設がドローン攻撃を受け、物的被害が発生した。
今回の攻撃は親イラン民兵組織「アシャブ・アル・カフ」によるものとみられ、同組織は「シャラムチェ攻撃への報復」と主張した。同日、イエメンの反政府勢力フーシ派は、IRGCおよびヒズボラと共同でイスラエルのベングリオン空港などを標的とする攻撃を宣言した。「イエメン国内のモサドの諜報網も崩壊した」(イラン・プレスTV)との報道も出ている。
欧州でも不安定な動きが続いている。イランと関連があるとみられる組織「アシャブ・アル・ヤミン」は放火や爆発攻撃への関与を相次いで主張したと、フィナンシャル・タイムズ(FT)が伝えた。国際テロ対策センター(ICCT)は「この組織が実在するかには相当な疑問があり、イラン情報機関のプロジェクトである可能性がある」と分析した。
一方、米国とイスラエルの攻勢も続いている。両国は4日、イラン南西部マフシャフルの石油化学団地とブシェール原子力発電所を攻撃し、トランプ大統領は「イランの軍の高官が複数死亡した(トゥルース・ソーシャル)」と主張した。米中央軍は、イランの戦闘機撃墜の主張について「すべての米軍戦闘機の所在は確認されている」と前日反論した。
特に「イスラエルが今後1週間以内にイランのエネルギー施設への攻撃を準備しており、米国の承認を待っている」(ロイター)との報道まで出る中、米国とイランの衝突は一層激しさを増している。
F-15戦闘機乗員救出に「タバスの呪い」を持ち出した…米国を嘲るイラン(1)
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