29日(現地時間)、ドナルド・トランプ大統領がフロリダ州ウエストパームビーチからメリーランド州アンドルーズ統合基地へ向かうエアフォース・ワンの機内で記者団と話している。AP=聯合ニュース
この日、5月渡しのWTI先物終値は1バレル=102.88ドルで、前日比3.25%上昇した。イラン戦争の開始後、この1カ月間にWTI先物価格が取引時間中に100ドルを超えたことは何度かあったが、終値で100ドルを上回ったのは3年8カ月ぶりだ。
ブレント原油先物も取引時間中に一時1バレル=117ドルまで急騰し、開戦後の最高値水準に接近した後、最終的に112.78ドルで取引を終えた。
イラン戦争の勃発後、ブレント原油は今月だけで55%上昇した。これは第1次湾岸戦争時の1990年9月に記録した46%の上昇幅を超える過去最高記録だ。WTIの月間上昇率53%も、2020年5月以来の最高記録を更新する見通しだ。
原油価格はトランプ大統領がSNSに投稿した内容に即座に反応した。トランプ大統領はこの日午前、SNSに「イランと合意に至らないか、あるいはホルムズ海峡が直ちに正常な通航状態にならなければ、イランのすべての発電所と油田、カーグ島を爆破し、完全に抹殺する」と表明した。
イランの製油施設を焦土化するというトランプ大統領の発言を受けて原油価格は急騰した。その後、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁が共同声明を出し、中東のエネルギー市場の危機を克服するために「必要なあらゆる措置」を講じる準備ができていると明らかにしたことで、原油価格の上昇は抑制された。
米国とイランの終戦交渉への期待感から上昇して始まったニューヨーク株式市場も、トランプ大統領が戦火拡大の可能性を示唆した発言の後、下落に転じるか上昇分をほぼ相殺した。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)でダウ工業株30種平均は前日比49.50ポイント(0.11%)高の4万5216.14で終えた。S&P500種株価指数は25.13ポイント(0.39%)安の6343.72、ナスダック総合指数は153.72ポイント(0.73%)安の2万794.64で取引を終えた。
こうした状況に対し、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は慎重な立場を示した。
パウエル議長はこの日、ハーバード大学での講演で「エネルギー価格のショックは概して急速に発生して消える傾向がある一方、金融政策はタイムラグが長く可変的だ」とし、「政策効果が現れるころには、ショックはすでに消えている可能性が高い」と述べた。
その一方で、供給ショックが繰り返されれば企業や価格決定者、家計が高いインフレを予想する恐れがあるとし、期待インフレ率を非常に綿密に注視しなければならないと強調した。
パウエル議長の発言は、原油価格の急騰によるインフレ上昇を予断すべきではないという意味として市場で受け止められた。これに伴い、今年FRBが利上げに踏み切るとの観測は後退した。
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