仁川・松島(インチョン・ソンド)にあるサムスンバイオロジクスの生産設備。キム・ギョンロク記者
「春闘」を予告したサムスン電子とサムスンバイオロジクスは、サムスン上場系列で時価総額1・2位を占める主力企業だ。半導体スーパーサイクル(超好況期)にバイオ委託開発生産(CDMO)の世界的な好況期まで重なったサムスンは、内部悪材料で上昇基調が崩れかねないと警戒している。
29日、サムスンバイオロジクス共生労働組合は、23日から行った争議行為(ストライキ)賛否投票で、投票に参加した組合員の95.52%(3351票)が賛成したと明らかにした。労組は4月21・22日に事業場での集会を開始し、5月1日に総ストに入る予定だ。現在、サムスンバイオロジクスの従業員の約75%にあたる3689人が組合員として活動している。
サムスンバイオロジクス労組は昨年12月から会社側と13回にわたり賃金・団体協約交渉を行ったが、結局合意には至らなかった。労組側は賃上げ〔基本給の14.3%+350万ウォン(約37万円)〕とともに、営業利益の20%を超過利益成果給(OPI)として支給するよう求めている。
一方、会社側は賃上げ率6.2%、基本給の200%に相当する激励金などを提示した。グローバルCDMO需要の増加に伴い大規模投資が必要となり得るため、労組が要求する水準の補償は提供できないとの立場だ。サムスンバイオロジクス労組のパク・ジェソン委員長は「会社が誠実な交渉案を提示すれば調整・検討する考えはあるが、現時点では進展はない」とし、「人事文書の違法行為について経営陣が責任を負い、昨年の成果に見合う処遇改善をしてほしいというのが労組の要求だ」と説明した。
一方、会社側と対話を再開していたサムスン電子の労組も、交渉開始からわずか3日後の27日、交渉中断を宣言した。会社側は半導体(DS)部門に対する成果給の追加支給案を提示したが、労組との合意には至らなかった。労組の主な要求は、競合企業であるSKハイニックスのようにOPI上限を撤廃することだ。サムスン電子労組は来月23日に集会を開始し、5月21日から18日間の総ストに入ると表明した。
中東情勢により原油価格と為替レートが急騰するなど、グローバルな不確実性が高まる状況で、サムスンの主力事業である半導体・バイオ工場が停止した場合、大きな打撃が見込まれる。サムスン電子労組は、ストライキによる被害規模を5兆~10兆ウォンと見積もっている。サムスンバイオロジクスもまた、生産停止による既存顧客の離脱や新規受注への悪影響を懸念している。サムスンバイオロジクスは世界上位20の製薬会社のうち17社を主要顧客として抱えている。
世宗(セジョン)大学経営学部のキム・デジョン教授は「戦争によってグローバルな経営環境が悪化する状況で企業競争力が損なわれれば、結局は労組にとっても損失になりかねない」とし、「労働者と企業の双方が積極的な対話を通じて適切な合意点を見いだすべき時期だ」と述べた。
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