26日(現地時間)、米国ワシントンD.C.のホワイトハウス・イーストルームで開かれたギリシャ独立記念日の祝賀行事で、ドナルド・トランプ米国大統領が演説している。ロイター=聯合ニュース
英国フィナンシャル・タイムズ(FT)は26日(現地時間)、トランプ大統領が先月28日に始まったイラン戦争の局面で、政策転換を導く「苦痛の地点(pain point)」を投資家が探っていると報じた。
◇「週末は圧迫、原油価格が上がれば融和メッセージ」
報道によると、投資家はトランプ大統領が石油市場が閉まる週末前後、イランに向けた圧迫発言を強化する傾向があると分析した。逆に、原油価格が上昇傾向を見せる場合には、本人や政権幹部が交渉の進展を示唆するメッセージを出すことが多かったという評価だ。
◇発言直後に原油価格下落…「口先介入の効果」
FTは、トランプ大統領やクリス・ライト氏、スコット・ベセント氏らがインタビューやソーシャルメディアを通じて原油価格の上昇抑制を試みた事例を提示した。
今月9日と10日、19日、20日、23日の関連発言から約1時間後、原油価格はそれぞれ9.75%、2.39%、0.73%、2.66%、6.48%下落したことが分かった。
FTは、こうした対応が11月の中間選挙を控え、原油価格の上昇を抑制しようとする政権戦略の一環である可能性が高いと分析した。
◇「ガソリン4ドル超えれば政治的に致命打」
オニキス・キャピタル・グループのホルヘ・モンテペケ氏は「トランプ氏がガソリンスタンドの価格上昇を恐れているのは明らかだ」とし、ガソリン価格が1ガロン(3.785リットル)あたり4ドルを超えれば「政治的に致命傷」になり得ると指摘した。実際に3月26日基準で米国の無鉛ガソリン平均小売価格はガロンあたり3.98ドル水準で、臨界値に近づいている。
◇「原油価格100ドル接近時に緊張緩和のシグナル」
FTは、米国産原油価格が1バレルあたり95〜100ドルに近づくたびに、政権が緊張緩和を示唆する発言を強化し、これによって市場では政府介入の可能性に対する期待が高まったと伝えた。
現在、米国産原油は北海ブレント油より約10ドル低い価格で取引されている。ただ、FTはこうした口先介入が当座は効果を出しているものの、実際に供給不足が発生した場合、市場が急騰する可能性も排除できないと警告した。
◇ホワイトハウス「完全に虚偽」…市場では「TACO」再浮上
一部のトレーダーは地政学的リスクを考慮すれば現在の原油価格は低い水準だと見ながらも、政権のメッセージに正面から対応するのは容易ではないと評価した。
これに対し、ホワイトハウスの広報担当テイラー・ロジャース氏は「こうした主張は完全に虚偽だ。トランプ大統領はこうした一時的で短期的な混乱について米国人に透明に公開してきており、イランのテロ政権の脅威を取り除く正しいことに集中している」と反論した。
市場では、トランプ大統領の政策翻転を揶揄した「TACO」(Trump Always Chickens Out、トランプはいつも尻込みする)という表現も再び口の端に上っている。FTは最近1週間、相反するメッセージが続いたことで政策の予測可能性がさらに低くなったと診断した。
◇「虚構の領域に入った」…交錯するシグナルに市場混乱
20日以降、トランプ政府は戦略備蓄原油の放出計画を出す一方で、米陸軍第82空挺師団の兵力を中東に投入し、イランの発電所を「焦土化」すると脅した。同時に、イラン側との交渉が順調に進んでいると明かすなど、相反するシグナルを同時に発信している。
ニューヨークの仲介業者ジョーンズ・トレーディングのマイク・オルーク氏は「もはや虚構の領域に入った」と評価した。
◇投資家「いっそ何もしない」
不確実性が高まり、一部の投資家は観望戦略をとっている。北米地域のあるヘッジファンドの最高投資責任者(CIO)は「我々は皆、同じことをしている。つまり、『何もしない』ということだ」とし、「原油価格が容易に1バレル150ドルまで跳ね上がる可能性もあるため、石油のショート(売り)は仕掛けられない。また、戦争が5分以内に終わる可能性もある」と話した。
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