今月5日(現地時間)、紅海のスエズ運河を通過する米海軍イージス駆逐艦USSベインブリッジ。イランは25日、紅海まで封鎖すると威嚇した。紅海のバブ・エル・マンデブ海峡は、世界の海上原油取引の約12%を占める。[AFP=聯合ニュース]
25日(現地時間)、イランの軍消息筋は半官営のタスニム通信に対し、「敵がイランの島や領土で地上作戦を試みるか、ペルシャ湾・オマーン湾で海上作戦によりイランに被害を与えようとするなら、奇襲的に新たな戦線を開く可能性がある」と述べた。続けてバブ・エル・マンデブ海峡を指摘し、「米国がホルムズ海峡に対して愚かな措置を取ろうとするなら、対処しなければならない海峡がもう一つ増えることになる」と警告した。バブ・エル・マンデブ海峡はイエメンとジブチの間に位置する紅海南端の要衝だ。世界の海上原油取引量の約12%と相当量の液化天然ガス(LNG)がここを通過する。親イラン勢力であるイエメンのフーシ派の活動圏でもあり、戦場が拡大する可能性がある。
これにより、「初のAI戦争」を掲げ短期戦シナリオを構想していた米国が、古典的概念である「地理」の前に直面したとの分析が出ている。フォーリン・ポリシー(FP)は23日、「イランの戦時における最大の強みは地理だ」とし、「AIが戦術的成功をもたらしたとしても、山を消すことはできず、狭い海峡を広げることもできない」と指摘した。
現在、イランの最大の交渉カードとなっているホルムズ海峡が代表例だ。最も狭い地点は約39キロメートルだが、実際のタンカー航路の幅は数キロメートルにすぎない。世界の原油消費量の約20%、海上原油取引量の27%がこの狭い水路を通過する。開戦直後、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)が封鎖を宣言すると、タンカーの通航量が70%急減し、ブレント原油は73ドルから126ドルまで急騰した。
海峡を完全に掌握する必要はない。背景にはイランの長大な海岸線がある。イランの海岸線はペルシャ湾とオマーン湾に沿って約2400キロメートルに及ぶ。米国がカーグ島など海峡の要衝を占領したとしても、広い海域で機雷や攻撃艇などを投入できる。FPは「イランが約400キログラムの濃縮ウラン備蓄を失ったとしても、海峡に対する実効的な統制を維持する限り、戦略的敗北とは見なされない」と分析した。さらにフーシ派が加わり、バブ・エル・マンデブ海峡まで封鎖されれば、船舶はアフリカの喜望峰経由での迂回を余儀なくされる。
イランが険しい山岳国家である点も重要だ。西と北にはそれぞれザグロス山脈とアルボルズ山脈という防壁があり、東部内陸へ行くほど地形は険しくなる。空中戦が容易でないことを意味する。イランが核施設や軍事資産を山岳地帯や東部の奥地に分散配置している理由だ。AIで位置を特定し標的を設定できても、精密攻撃は容易ではない。
FPは「戦争の方法を決めるのは技術だが、戦争がどのように終わるかを決めるのは結局のところ地理だ」と評価した。続けて「1812年にロシアへ進軍したナポレオンが冬将軍に直面したように、米国とイスラエルはイランの地理将軍と忍耐将軍の前で足踏みを強いられている」と指摘した。
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