エヌビディアのチップを搭載したスーパーマイクロのサーバーを中国に違法に搬出しようとするブローカーが防犯カメラにとらえられた。半導体のシリアルナンバーを消すために使ったヘアドライヤーが見える。[写真 米司法省]
米ニューヨーク南部連邦地方検察は19日、スーパーマイクロのウォリー・リャオ共同創業者と、台湾事務所の営業管理者、ブローカーの3人を輸出規制法違反容疑で起訴したと明らかにした。3人は米国で作り米国のAI技術を搭載した高性能コンピュータサーバーを東南アジアの会社を経由して中国に密かに渡していた容疑を受けている。
スーパーマイクロはエヌビディアのチップを活用して高性能・高効率のサーバーを作った。1993年にシリコンバレーで創業した米国企業だ。カリフォルニア州フリーモントで生まれた中国系米国人ウォリー・リャオ氏がチャールズ・リャン現最高経営責任者(CEO)とともに創業した。2007年にナスダックに上場した。エヌビディアと「姉妹会社」と呼ばれ、フォーチュン500大企業に成長した。
検察はスーパーマイクロが2024~2025年に25億ドル(約3987億円)相当のサーバーを作り、このうち少なくとも5億1000万ドル相当のサーバーを中国に持ち出したとみている。検察は彼らが書類を操作して監査を通過するため偽サーバーを倉庫に持ち込み中間会社を作ったと明らかにした。ヘアドライヤーで半導体のシリアルナンバーを消す手法も動員した。
事件のニュースが伝えられると21日のニューヨーク証券市場でスーパーマイクロの株価は33.32%の急落となった。エヌビディアも3.28%下がった。このほかインテルが5.00%、ブロードコムが2.92%、台湾TSMCが2.82%下落するなど主要半導体株が一斉に下落した。
ブルームバーグは「エヌビディアも当惑している」と報道した。スーパーマイクロはエヌビディアの売り上げの約9%を占める大口顧客だ。リャオ氏は先週米国で開かれたエヌビディア年次開発者カンファレンスにも参加し、エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)とリャンCEOが握手する姿を見守った。
エヌビディアは報道資料を出し「中国へ違法に持ち出されたサーバーに対してはサービスやサポートを提供しない。エヌビディアは違法搬出に断固反対する」と強調した。
今回の事件は米国が輸出規制法でエヌビディア製チップの中国向け輸出を制限した2022年以降で最も影響が大きいと評価される。米国がAI半導体輸出制限措置を中国以外の国に拡大しようとする敏感な時期に発生した。過度な輸出規制がかえって違法搬出を助長するという指摘も出ている。
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