中東情勢に不安が続き、国際原油価格の急騰とウォン安が持続する中で銀行をはじめとする金融持株各社が緊急対応体系を稼働させた。聯合ニュース
19日、ソウル外国為替市場でウォン相場は前営業日比21.9ウォン高の1ドル=1505ウォンで取引を開始した。寄り付きで1500ウォンを超えたのは16日(1501ウォン)以来、3営業日ぶりだ。国際金融危機時の2009年3月10日以来、最もウォン安の進んだ水準の始値となった。日中の下げ幅は一部制限されたが、同日の為替レートは前営業日比17.9ウォン高の1501ウォンで日中の取引を終えた。終値ベースで1500ウォン台を記録したのは金融危機以来となる。主要6通貨に対するドルの価値を示すドル指数も100.25水準を示し、再び心理的基準ラインである100を突破した。
急激なウォン安の背景には、中東発のエネルギー不安がある。イスラエルがイランのガス田を攻撃し、イランが中東内のエネルギーインフラに対する報復の可能性を示唆したことで、原油の供給に支障が出るのではないかという懸念が急激に高まった。国際原油価格の指標であるブレント原油は18日(現地時間)、107ドル台で引けた後、19日も110ドルを上回る水準で取引されているほか、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)も一時1バレル=100ドルを突破した。
問題は、原油価格上昇とウォン安が同時に進行して韓国経済に二重の衝撃を与えている点だ。原油価格が上がれば輸入物価と生産コストが上昇し、ウォン安はドルで決済する原油価格をさらに押し上げるためだ。
すでに産業界の被害は現実のものとなっている。為替と原油価格のショックを同時に受ける航空業界が代表的だ。一部の格安航空会社(LCC)はコスト管理や路線再調整など非常経営体制に突入した。韓国国内のあるLCC関係者は「最近の為替急騰により、航空機のリース料や整備費、燃油サーチャージなどの主要コストが同時に上昇しており、収益性を強く圧迫している」と述べた。
金利環境も急速に悪化している。ハナ銀行のソ・ジョンフン研究委員は「原油価格上昇が物価を刺激すれば、主要国の中央銀行による利下げ時期が遅れる可能性が高まる」とし、「これは景気減速局面でも金利を下げられない『政策ジレンマ』につながりかねない」と指摘した。実際に最近、国庫債利回りが乱高下を繰り返しており、家計の住宅担保ローン金利や企業の資金調達コスト、政府の国債利払い負担が同時に上昇する流れが現れている。
これを受け、金融業界も非常事態に陥った。最近、5大金融持株〔KB・新韓(シンハン)・ハナ・ウリィ・NH農協〕は日単位の点検体系を構築し、外国為替・資本指標を注視している。ある銀行関係者は「中東状況の長期化に備え、リスク要因の分析と対策を準備中だ」と語った。延滞率の上昇、外貨流動性と資産健全性の悪化などの打撃を受ける可能性があるためだ。
具潤哲(ク・ユンチョル)副首相兼財政経済部長官は同日、「ウォンの動きがファンダメンタルズと過度に乖離する場合、適時に対応する」と述べ、市場介入を示唆した。通貨当局はドル売り介入や為替スワップの拡大、外為健全性規制の調整などを検討中だ。
ただし、高麗(コリョ)大学経済学科のキム・ジンイル教授は「為替を人為的に抑え込むやり方は持続可能ではない」とし、「過度な変動性を緩和する水準の対応が必要だ」と指摘した。
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