米国防総省(戦争省)とアンソロピック(Anthropic)のロゴ。ロイター=聯合ニュース
国防総省の最高技術責任者(CTO)を務めるエミール・マイケル研究・工学担当次官は12日(現地時間)、CNBCのインタビューでアンソロピックとの合意の可能性を問われ、「不可能だ」と断言した。また「アンソロピックが機密情報をメディアに流出させ、交渉で不誠実な態度をとった」と明かし、訴訟を長期戦に持ち込む意向であることを示唆した。
◇訴訟戦に発展した葛藤…「数十億ドルの被害懸念」
今回の対立は、アンソロピックが自社のAIを自律型兵器や大規模監視に使用できないよう国防総省との契約に明記したことが発端となった。国防総省はこれを拒否し、ドナルド・トランプ米大統領は全連邦機関に対し、アンソロピックの技術使用を即刻中断するよう指示した。
これに対し、アンソロピックはカリフォルニア州連邦地裁に国防総省を相手取って提訴した。国防総省がアンソロピックをサプライチェーンリスク企業に指定し、トランプ大統領が措置に踏み切ったのは、違憲的な報復だと主張している。
アンソロピックはワシントンD.C.控訴裁判所にも、サプライチェーンリスク指定の中断を求める仮処分を申請した。アンソロピックは今回の措置により、2026年の1年間だけで数億ドルから数十億ドルに達する売上損失が発生する可能性があると主張しており、すでに100社以上の企業顧客からサプライチェーンリスク指定に関する問い合わせが寄せられていると明らかにした。
◇「サプライチェーンを汚染する企業は受け入れられない」
マイケル次官はこの日、特に「アンソロピック独自のAI運用指針である憲法と核心的価値がモデルに内在しており、サプライチェーンを汚染している」とし、「これがサプライチェーンリスク指定の真の理由」と強調した。AIモデル自体にアンソロピックの哲学が刻み込まれており、軍がこのモデルを使う瞬間、民間企業の判断基準が軍事システムの中にそのまま流れ込んでくるという論理だ。
マイケル次官はボーイングが戦闘機を製造する事例を挙げ、「モデルが不安を感じて正しい答えを提供しなかったり、会社の創業者たちが望む方式でハルシネーション現象を起こしたりすれば、我々が購入する製品を損傷させかねない」と指摘した。また「アンソロピックは自社のモデルが自意識を持って決定を下す確率が20%だと言っている」とし、「そのようなモデルをサプライチェーンに置くことができるだろうか」と問い返した。
国防総省がこうしたリスクを認識しながらも、アンソロピックを即座に追放できない理由については、前政権の責任に言及した。マイケル次官は「前バイデン政権の大統領令により〔アンソロピックのクロード(Claude)が〕好ましいモデルに選定されたためだ」とし、「現在、国防総省のシステムに深く組み込まれており、一朝一夕に根絶するのは難しい」と述べた。このほか、「バイデン政権時代に作られたクロードの使用制限指針だけで25ページに達している」と不満を露わにした。
しかし、国防総省とアンソロピックの間でクロードを軍に納品してきたパランティアのアレックス・カープ最高経営責任者(CEO)は同日、CNBCに対し「アンソロピックを段階的に除去する計画だが、まだ追放されたわけではない」と語った。元海軍情報将校のブラッド・カーソン元国防次官補も「退役将校らと話してみると、今回の(国防総省の)決定に不満を持っている」とし、「軍はクロードを信頼でき、作戦計画に組み込みやすい製品だと見ている」と述べた。国防総省がサプライチェーンリスク企業として烙印を押した会社のAIが、現在進行形で米軍システムの中で生きており、米軍がこれを急に排除すること自体が負担になっているという意味だ。
AIでイラン爆撃しながら…米国「アンソロピックは追放する」 泥沼の訴訟戦(2)
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