パランティアのアレックス・カープCEOとウクライナのゼレンスキー大統領。パランティアは戦争初期からウクライナ軍を支援している。[写真 パランティア]
データ分析AI企業のパランティアは、膨大なデータを収集・分析して有意味な情報を選び出すのに特化している。衛星イメージ、ドローン映像、金融取引情報、通信モニタリングなど世に散らばる資料を隅々まで集めて一定のパターンと推移を見つけ出し機密情報として加工するのに競争力がある。
パランティアが開発に参加した国防総省のAI基盤情報分析プラットフォーム「メイブン・スマート・システム(MSS)」は今回のイラン攻撃で役割を担った。
ワシントン・ポストによると、MSSはアンソロピックのAIモデル「クロード」と結合してリアルタイムで数百の標的を設定・提案し、正確な位置座標を提供した。米国が攻撃開始から最初の24時間に1000個の目標物を打撃した圧倒的攻撃力の裏にはパランティアがあった。
米軍がベネズエラを急襲しマドゥロ大統領を拘束した際も、イスラエルとハマスの戦争にも、ウクライナとロシアの戦争にも、パランティアの技術が登場した。価値を共有する西側諸国とだけ取引するパランティアは、イスラエル政府とウクライナ政府を顧客に持っている。
◇パランティアの「参戦」、AI技術の実験場となった戦場
ウクライナ戦争が勃発して3カ月が過ぎた2022年6月、同社のアレックス・カープ最高経営責任者(CEO)は死線を乗り越えウクライナに向かった。ポーランドから徒歩で国境を越え、廃虚となった陸路を走ってキーウに到着した。
ゼレンスキー大統領と会ったカープ氏は「ダビデが現代版ゴリアテに勝つことができる」と説得してパランティアの技術をウクライナに支援した。
米軍が収集したデータをAIで分析してロシア軍の動きを予測し、これを基にウクライナ軍指揮官に最適な軍事的選択肢を提案した。
パランティアの「参戦」により、ウクライナ戦争はミリタリーテック、すなわち軍事AI技術の実験場に変貌した。実際の戦場でAI技術をリアルタイムで実行する機会を得てパランティアは新次元の実験とより多くのデータを構築できるようになった。
「歴史上最も重大な戦争様相の根本的変化」(マーク・ミリー前米国統合参謀議長)という評価を得た。
パランティアはAI時代を迎え軍の「解決者」を夢見る。地政学的変化とAI導入で戦争の様相が変わっているが、政府が素早く対処するのには限界がある。その隙間を埋める軍事技術の外注化を狙う。
パランティアの時価総額は約3800億ドルで、ロッキード・マーチンの1300億ドル、ボーイングの1200億ドルの3倍水準だ。
パランティアは戦闘機や戦車を作らないのに伝統の防衛産業名家であるロッキード・マーチンとボーイングを軽く押しのけて最も時価総額の高い防衛産業企業になった。
創業22年で防衛産業業界時価総額1位に上がり、企業公開(IPO)から5年で株価が1600%上昇した。
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