モジタバ・ハメネイ師。
イラン最高指導者を選出する専門家会議は同日、声明を通じて「新指導者選出のための臨時会議を招集して投票を行い、モジタバ・ハメネイを第3代最高指導者に選出した」と明らかにした。ハメネイ師死去から8日目のことだ。イランの聖職者88人で構成される憲法機関である専門家会議は、爆撃を受けて死亡したハメネイ師と高位軍指揮官を「尊敬される殉教者たち」と称し、全イラン国民に向けて「指導部に忠誠を誓い、団結することを促す」と発表した。
モジタバ師はイラン体制の核心であるイスラム革命防衛隊(IRGC)を約20年間にわたり舞台裏で動かし、情報機関など権力の中枢で政治的影響力を行使してきた「影の実力者」だ。2009年の反政府デモ拡大時に流血鎮圧を主導したとされる人物で、父に劣らぬ強硬路線を敷く可能性が高いと評価されている。トランプ大統領は5日、モジタバ師について「軽量級(lightweight)」とし、「受け入れられない人物」と拒否感をあらわにしていた。
そのようなモジタバ師をイランが新たな最高指導者に公式選出したのは、米国の圧力に屈服しないという意志を露呈したものと分析される。交渉の余地を閉ざし、持久戦に持ち込むというメッセージだ。
イランが「殉教の叙事」を動員して体制結束に乗り出したとの解釈も出ている。イスラム教シーア派は、預言者ムハンマドの孫であるイマーム・フセインが680年、少数の兵力を率いて圧倒的な軍勢に立ち向かい戦死したカルバラーの戦い以降、「殉教は信仰と正義のための最高の栄光であり犠牲」というメッセージを強調し、戦争動員を正当化してきた。
1979年にパフラヴィー世襲王朝を転覆させて誕生した現体制において、モジタバ師の選出は革命精神を否定するものになりかねない。ハメネイ師も生前、側近に息子の後継者継承を望まない意向を伝えていたとされる。それでもなお、イランの聖職者たちがハメネイ師の息子を選択したのは、「殉教者の血に対する復讐(ふくしゅう)」を象徴するという論理を展開した。「敵の攻撃による殉教」を強調することで反対の声を抑え込み、世襲論争を払拭しようとしているとの分析だ。
実際、モジタバ師が登場するやいなや、IRGCは「忠誠を捧げる」として完全な服従を宣言した。穏健・保守派を網羅するアリ・ラリジャニ最高国家安全保障会議事務局長も「新最高指導者を中心に団結しよう」と呼びかけた。イランに親米傾向の政権が誕生することを期待していたトランプ大統領が、モジタバ師を標的に追放作戦に乗り出すか注目される。トランプ大統領は最近、「イランで指導者になろうとする者は、結局死を迎えることになる」とし、次期指導部が反米・核追求路線を固守する場合、斬首作戦を繰り返す可能性があると警告している。
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