北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が先月22日、第9回労働党大会の4日目会議で総書記に再推戴された後、歓呼に応えている。朝鮮中央TV=聯合ニュース
◇経済成果と青写真は省略
しかし、経済に関する言及は暗澹としたものだった。2021年の第8回党大会以降、経済運用の核心は「整備・補強」だった。制裁とコロナ危機への対応、成長基盤の復旧が目標だった。経済が正常に回っていたのであれば、成果を誇示し、希望に満ちた青写真を提示すべきだった。
だが金正恩は、先月20日の党大会事業総和報告で、過去5年間に「物質的・技術的土台が固められ、止まっていた部門が正常軌道に入り始めた」と表現したにすぎない。国防分野の自信に満ちた評価とは大きな差がある。展望も慎重だ。金正恩は党大会の結論(先月23日)で、今後5年を「安定の強固化、漸進的な質的発展」の段階と規定した。過去5年の「整備・補強」というスローガンと大差ない。未来についても「過ぎ去った変革の5年を、より偉大な変革の5年にしよう」という注文にとどまった。「新たな跳躍」ではなく「既存の延長」だ。第7回党大会で「輝かしい設計図」を出すとした2016年の新年の辞における確信に満ちた展望とは、明らかに違う。
実際、北朝鮮経済は依然として暗澹としている。韓国銀行の推定によれば、2024年の経済規模(実質国内総生産)は、冷戦が終わった1990年対比86%にすぎない。貿易規模も当時の65%水準だ。30年以上、成長どころかむしろ後退した。総量も問題だが、地域および階層間の格差はさらに深刻だ。かつては「革命の首都」平壌(ピョンヤン)の変化に代理満足を感じていたが、もはやそのような時代ではない。自分の住む町もすぐに発展するという期待は、とっくの昔に失望に変わっている。市場の拡散は新興富裕層の登場という新たな格差を生み、携帯電話の普及は情報をリアルタイムで伝えることで相対的な剥奪感までも増幅させた。平等だった社会は消えた。2024年から毎年20の市・郡に10年間、地方工業工場を建設して都市と農村の格差を縮小するという「地方発展20×10政策」が登場することになった背景だ。2024年1月の党中央委拡大全員会議で金正恩が吐露したように、地域間の不均衡は経済的問題を越え「わが党と政府にとって、到底見過ごすことのできない深刻な政治的問題」となった。
ともすれば経済的問題が政権と体制の不安定につながりかねないという懸念だった。経済問題は民生の領域から統治の領域へと移動した。そのため、格差解消と福利増進を「必ず実行しなければならない政治闘争課題」とも表現した。それだけ経済が厳しいという反証だった。
認識は正しかったが、手段がなかった。工場を建てる資本が不足していた。完工しても電力と原材料の供給が問題だった。既存の工場を壊して新しい工場を建てるようなものだった。既存工場の稼働率は自然に低下した。資本が十分に調達されない限り、政策は失敗するほかない。
すでにそのような現象が現れている。しかし、責任は幹部たちに転嫁される。1月19日の竜城(リョンソン)機械連合企業所改修竣工式で、金正恩は幹部たちの無能のせいで混乱と損失が発生したという理由で、現場で副首相を解任した。今回の党大会の結論でも、新しい工場の運営不振を「極度の怠慢と無責任さ」のためだと叱責した。解決策として「大衆自身が主人として参加するよう労働者を覚醒させることが切迫した課題」とし、「思想」ばかりを重ねて強調した。
【韓半島平和ウォッチ】韓米、ペースメーカー・ピースメーカーを越え「ピースメイト」の追求を(2)
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