2月27日、ドナルド・トランプ米国大統領がフロリダ州のパームビーチ国際空港に到着した後、取材陣に向かって拳を握るポーズをとっている。翌日、トランプ大統領は写真で着用しているものと同じ帽子をかぶり自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」を通じてイラン攻撃開始の事実を公開した。AFP=聯合ニュース
究極的な目標は中東秩序の再編だ。具体的には、トランプ第1次政権時の自身の最大の外交業績である「アブラハム合意」の完成だ。2020年にイスラエルがアラブ首長国連邦(UAE)・バーレーン・モロッコと外交関係を結ぶのを支援したトランプ大統領は、イスラエルとサウジアラビアの国交正常化を同合意の「画竜点睛」と考えている。
これを通じて中東内でイスラエルとサウジを軸とする安保構図を作ることを夢見ている。韓国国立外交院の印南植(イン・ナムシク)教授は「反米の先鋒であるイランまでもが親米政権となってアブラハム合意に入ってくるならば、トランプ氏はどの米国大統領も成し得なかった英雄叙事詩を書けると考えるだろう」と述べた。イランの核兵器保有の阻止にまで成功すれば、2015年にオバマ政権がイランと結んだ核合意(JCPOA・包括的共同行動計画)を完全に凌駕する成果を上げたと誇示することもできる。
経済的な目的もある。世界2位の天然ガス、世界4位の石油埋蔵量など豊富な資源を保有するイランだ。人口9000万人の巨大市場が開かれれば、戦争に反対していたMAGAなど米国内の核心的な支持層の心も掴むことができる。ニコラス・マドゥロ前ベネズエラ大統領を強制移送したことに続き、イランまで掌握することができれば、これらの国々から安価に石油を買い付けていた中国に対しても間接的に圧力をかけることができる。
これらはすべてが順調に進んでこそ可能となる。現在のところ、イラン国内で米国と歩調を合わせようという政府よりは、ハメネイ師の死を「殉教」と見なし、歴代最大の報復作戦を表明した強硬派がイスラム革命防衛隊(IRGC)を中心に政権を維持する可能性が高い。米シンクタンク外交問題評議会のリンダ・ロビンソン上級研究員は「ハメネイ除去が政権交代を意味するわけではない。IRGC自体がすなわちイラン政権だからだ」と指摘した。この場合、「核がないから米国にやられた」として、イランの核保有の意志がさらに強まる可能性がある。
また、イランが弾道ミサイルによる報復やホルムズ海峡の封鎖を続け、イエメンのフーシ派、イラクの親イラン民兵組織などの代理勢力も動員する場合、中東の安保環境が長期にわたって揺らぐ可能性がある。
イラン政権が揺らぐ場合には、状況はさらに複雑になる。多民族国家で宗派・民族・経済的利害関係が分かれるイランにおいて、政権の統制力が弱まれば混乱が拡大しかねない。印南植教授は「最悪のシナリオはイランのバルカン半島化だ」とし、「バルーチ、クルド、アゼリなどの少数民族が蜂起すれば、2011年から13年間内戦を繰り広げたシリアのようになる可能性がある」と語った。
トランプ氏、「イラン政権交代」の賭け…目標は中東秩序の再編と「アブラハム合意」の完成(2)
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