釜山訪問日程中に刃物で切りつけられた李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表が2024年1月2日、ソウル竜山区(ヨンサング)ノドゥルソム(島)ヘリポートからソウル大病院に搬送されている。 写真[聯合ニュース]
◆「1センチ裂傷」の報道、消防に責任あるのか
警察と消防当局によると、警察庁国家捜査本部加徳島テロ事件捜査TF(以下、捜査TF)は旧正月直前の家宅捜索で、釜山消防災難本部から事件当時の「1センチ裂傷報道説明資料」「襲撃事件捜査協力動向報告」など文書10件余りを確保した。
事件は2024年1月2日、K(当時67歳)が長さ18センチの刃物で釜山を訪問した李大統領を切りつけて発生した。捜査TFはこの事件がテロと指定されないなど縮小されたという疑惑に重点を置いて捜査に入った。TFが確保した「1センチ裂傷報道説明資料」には、事件直後に李大統領の負傷の程度について釜山消防が報道機関に公報した資料と作成の根拠など事件縮小疑惑を解決する手がかりがあるという。
Kが使用した刃物は李大統領の首の左側に2センチほど入り、皮膚に1.4センチの傷が残った。内頸静脈9ミリ(血管損傷60%)損傷の重傷につながり、李大統領は釜山大病院からソウル大病院にヘリコプターで搬送されて手術を受けた。これと関連し与党では、事件当日「1センチ裂傷の軽傷と推定」でメディアに知らせた後「1.5センチ裂傷」に修正した消防の公報にも事件の深刻性を縮小した責任があるとみている。
捜査TFは確保した資料に基づき初期消防が「1センチ裂傷」などと公報した経緯に犯罪が疑われる点がないか調べている。李大統領の搬送をめぐる特恵論争調査のため、TFはヘリ救急状況日誌と運営マニュアルなど当時の釜山-ソウルヘリ運用の根拠文書も消防で確保したという。
◆背後・証拠隠滅疑惑の究明にも焦点
捜査TFは襲撃犯Kに共犯や背後の人物がいたかどうかを明らかにするのにも注力する。12日からTFは国会情報委員会の家宅捜索を何度も試み、非公開会議録の確保に集中した。この会議録には「Kが極右ユーチューブ放送の影響を受けた」という内容が入っていたという。公務上の秘密・機密に該当しても刑事訴訟法に基づき機関長(国会議長)の許可を受ければ家宅捜索が可能というのがTFの考えだ。ただ、まだ該当会議録確保のための協議が完了していないという。
捜査TFはキム・サンミン元部長検事の自宅にも捜査官を送り、パソコンに保存されたファイルなどを対象に捜索差押許可状を執行した。キム元検事は国家情報院法律特補だった当時、「李大統領をテロ被害者と見なすのは難しい」という趣旨の法律検討報告書を作成したと伝えられた。TF関係者は「テロ未指定に関連して虚偽公文書が作成されたという容疑を含め、Kの犯行計画や考えを強めるのに影響を及ぼした要因について確認中」と明らかにした。
ウ・チョルムン元釜山警察庁長官とオク・ヨンミ元江西警察署長に対する捜査TFの再調査も予想される。事件が発生したデハン展望台を釜山警察が水で清掃して血痕を消すなど、現場と証拠保存に問題があったという疑惑関連だ。警察庁犯罪捜査規則は「犯罪が実行された地点だけでなく、現場保存の範囲を十分に定め、捜査資料を発見するために努するべき」と規定する。これに先立ち2人を捜査した高位公職者犯罪捜査処は2024年8月に「嫌疑なし」という結論を出した。
捜査機関出身のある弁護士は「この事件がテロに指定されないことに関連し、実際に事件の意味を縮小しようとする試みや背後があったかを確認するのがTF捜査の核心になるだろう」と話した。続いて「水清掃疑惑の場合、すでに高位公職者犯罪捜査処の捜査をしただけに、新たな証拠がなしには結果は変わらないだろう。ただ、高位公職者犯罪捜査処の嫌疑なし結論を含め、当時はKの個人情報非公開決定の背景などもTFの調査対象になる可能性がある」という見方を示した。
この記事を読んで…