11日(現地時間)、映画監督のルアイリ・ロビンソンが「Seedance(シーダンス)2.0」を活用して制作した15秒の映像を自身のX(旧ツイッター)に投稿した。廃墟の屋上でトム・クルーズ(右)とブラッド・ピットに似た2人の人物が戦う場面。[X キャプチャー]
18日、関連業界によると、バイトダンスが10日に公開した動画生成AIモデル「シーダンス2.0」が世界的に議論を呼んでいる。公開翌日、アイルランド出身の映画監督ルアイリ・ロビンソンが自身のX(旧ツイッター)にシーダンス2.0で生成した15秒の映像を投稿し、波紋が広がった。廃墟の屋上でトム・クルーズとブラッド・ピットに似た2人の人物が格闘を繰り広げる場面だった。画面は人物を追って滑らかに移動し、照明や効果音まで加わると実際の映画の一場面のように見えた。ロビンソン監督は自身のXで「シーダンス2.0に2行の命令文(プロンプト)を入力して作ったもの」と明らかにした。
ハリウッドは直ちに反発した。米映画協会(MPA)はバイトダンスに対し「米国の著作物を大規模に無断使用した」として侵害行為の即時中止を要求した。ディズニーは著作物使用中止要求書を正式に送付した。パラマウントも自社フランチャイズのキャラクターに酷似した生成例を挙げ、法的対応に乗り出した。論争が拡大すると、バイトダンスは実在人物の写真や動画のアップロードを遮断し、顔や音声の合成機能の中止、本人認証手続きの導入などを発表した。
昨年、オープンAIのSora(ソラ)や中国のKling(クリング)などが相次いで公開され、動画生成AIの実力はすでに示されていた。ただし、映像内の人物の手が不自然にねじれたり、衝突場面で連続性が崩れるなど技術的な限界も明らかだった。一方、シーダンス2.0はカメラの動きや人物の動線、衝突時の慣性まで表現し、業界に「実際の撮影やポストプロダクションの一部を代替し得る」との危機感を抱かせた。映画『デッドプール』の脚本家レット・リースはロビンソン監督の映像を共有し、「おそらく我々には終わりが来たようだ」と述べた。
バイトダンスはシーダンスモデルを動画編集アプリ「剪映」や「CapCut(キャップカット)」、TikTok(ティックトック)などの大型プラットフォームと連携している。技術が研究室や開発者コミュニティを経て広がる構造ではなく、巨大なクリエイター生態系に直接組み込まれる形だ。業界では、今月中の公開が予想されるディープシークの次世代AIモデル「V4」まで登場すれば、昨年世界を席巻した中国製AI攻勢「ディープシーク・ショック」の第2波が、動画などマルチモーダル分野へと拡大するとの見方が出ている。
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