追悼ヘルメットを着用して冬季オリンピック(五輪)への出場意志を明らかにしていたウクライナのウラジスラフ・ヘラスケビッチ。
IOCは12日、「ヘラスケビッチはIOCの選手表現の自由に関する指針を順守しなかったため、2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピック(五輪)への参加が禁止された」と発表した。
ヘラスケビッチは、ロシアとの戦争で犠牲になったウクライナのアスリート24人の写真をつけた追悼ヘルメットを着用し、五輪練習走行を行った。しかしIOCは、ヘラスケビッチのヘルメットが、オリンピック憲章第50条第2項「オリンピックの用地、競技会場、その他の区域ではいかなる種類のデモンストレーションも、政治的、宗教的、人種的な宣伝も許可されない」という規定に違反しているとし、該当ヘルメットの着用は認められないとの判断を下した。
IOCは「ただし、追悼の腕章の着用には反対しない」という折衷案を提示した。これに対し、ヘラスケビッチは「亡くなった選手たちの犠牲があったからこそ、私たちはここで一つのチームとして競うことができている。彼らを裏切ることはできない」と、追悼ヘルメットを着用し続ける意思を曲げなかった。
IOCは「ヘラスケビッチと何度もメールをやり取りし、今朝もカースティ・コベントリーIOC会長が彼と面会した」とし、「ヘラスケビッチがいかなる妥協案も考慮しないと表明したため、残念ながら今大会の参加資格を剥奪することになった」と説明した。
同日、AP通信は「ヘラスケビッチがスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立てる意向を明らかにした」と報じた。
2022年北京冬季五輪にも出場したヘラスケビッチは、当時も競技終了後に「ウクライナでの戦争反対(No war in Ukraine)」と書かれた掲示物を掲げたが、その際IOCは「単に平和を訴えたもの」として、オリンピック憲章違反ではないとの見解を示していた。当時はロシアがウクライナに侵攻する直前のことだった。
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