6日(現地時間)、イタリアのミラノ冬季オリンピック(五輪)開会式で米国選手団の入場時に電光掲示板にJ・D・バンス副大統領夫妻の姿が映し出されると、競技場では一斉にブーイングが沸き起こった。バンス副大統領はこれについて「メディアが誇張したもの」と主張した。ロイター=聯合ニュース
これは5日、米国のスキー代表選手であるハンター・ヘスがトランプ政権の強圧的な移民政策に関連し、「星条旗を背負って滑っているからといって、米国で起きているすべてのことを代表しているわけではない」と批判したことを改めて非難した言葉だ。
これに先立ち、ドナルド・トランプ大統領はヘスを「完全な敗北者(Real Loser)」と称し、「そもそも代表選考会に出るべきではなかった。このような選手を応援するのは難しい」と、自国の代表選手を公然と批判していた。
バンス副大統領はこの日、五輪と欧州歴訪を終えて帰国する途中で関連の質問を受けると、「五輪選手は政治について勝手な発言をするためにその場にいるのではない」とし、「選手が政治の舞台に足を踏み入れるときは、ある程度の反発を予想すべきだ」と述べた。バンス副大統領は続けて、「五輪に政治が介入するのは珍しいことではないが、選手たちは国家統合のために努力すべきだ」と付け加えた。
米国代表団は今回の五輪期間中、「政治色を排除した五輪精神を毀損している」との批判を浴びてきた。特に自国選手の保護を名目に、現地に移民・関税執行局(ICE)の捜査官を派遣したことで、五輪開催地のミラノなどでは連日、大規模な反対デモが行われた。
特に、五輪開会式で米国選手団が入場する際、バンス副大統領夫妻が電光掲示板に映し出されると、観客席からは一斉にブーイングが沸き起こる場面もあった。
バンス副大統領は、全世界に生中継された五輪で公然とブーイングを受けた状況について質問されると、「五輪で本当に楽しい時間を過ごした」と答えた。そのうえで「3万人もの群衆の中に、私や(トランプ)政権の政策に同意しない人々は間違いなくいるだろう」とし、「(今回の状況は)メディアが過度に誇張したものだ」と主張した。
大統領に続き副大統領までが、米国を代表して出場した自国選手を非難する一方で、五輪スターたちの信念ある発言も続いている。
五輪3連覇に挑む韓国系のスノーボードスター、クロエ・キムは10日の記者会見で、「私の両親も韓国から来た移民であるため、今回のことは他人事とは到底思えない」とし、「こういう時こそ私たちは団結し、互いのために立ち上がることが重要だ」と述べた。
キムは続けて、「米国が私と家族に与えてくれた機会に感謝しており、国家代表として誇りを感じている」としながらも、「私たちには愛と慈しみを持って(社会を)導いていくべきだという意見を出す自由もある」と付け加えた。
米国出身で中国国籍を選択して非難を浴びたフリースタイルスキー選手のアイリーン・グー(谷愛凌)も、「すでに激しい攻撃(十字砲火)を浴びた経験がある者として気の毒に思う」とし、「ヘスが置かれている状況は『勝つことのできないメディア戦争』」と述べた。そのうえで「五輪精神とは無関係な見出しが大会を覆い隠していて残念だ」と述べ、政治的な論争がスポーツの本質を曇らせている現況を嘆いた。
これに関連し、ニューヨーク・タイムズ(NYT)は「米国が五輪にいてもまだ本国の政治状況から抜け出せずにいる」とし、「(選手たちまでもが)トランプ政権の政策が引き起こした感情的な波に立ち向かわなければならない状況」と指摘した。
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