事故後に韓国から送った救護物資のトラックが京義(キョンウィ)線鉄道沿いの道路を通って南方限界線を越え、北側に向かっている。[中央フォト]
映画は、20年後の2024年に金正恩(キム・ジョンウン)委員長を狙ったもう一つの浸透の試みを予告しながら幕を下ろす。映画は国際貨物列車と金正日の動線が重なる設定、硝酸肥料を利用して爆発を「事故」と偽装するプロット、実存の地名を避けた仮想の「ヨンアム駅」など22年前の記憶を自然によみがえらせるように構成されている。
2004年4月22日午後2時、平安北道竜川(ヨンチョン)駅で大規模な爆発事故が発生した。154人が死亡し、約1300人が負傷した。
◆北朝鮮「竜川駅の爆発は単純な列車事故」
爆発の原因をめぐっては単なる列車事故説、金正日暗殺計画説、モサド工作説が提起された。単なる事故説は北朝鮮の公式立場だ。北朝鮮中央通信は硝酸アンモニウム肥料を積んだ貨車とタンクローリーを搬送する途中、電気線に接触して爆発が発生したと報じた。しかしこの説明は技術的な経緯の提示にとどまり、論争を完全に抑えることができなかった。
金正日暗殺計画説は、体制失敗の責任を外部の敵対的な陰謀に転換しながら内部統制を正当化するものとして活用され、現在までも消滅しない生命力を維持してきた。しかし事実関係をみると、金正日委員長がすでに竜川駅を通過してから8、9時間が経過した時点に爆発が発生したという点で信憑性が低いという評価だ。
情報世界の関心を引いたのはモサド工作説だ。事件の前後に捕捉されたいくつかの異例の状況による仮設だ。事故当時に列車に乗っていたシリア科学研究センター所属の研究員12人が全員死亡した。モサドがシリア軍将校と科学者の平壌(ピョンヤン)行き動線を追跡していたという分析も提起されたが、これは『ギデオンのスパイ』の著者ゴードン・トーマスの推定と伝えられている。事件直後に北朝鮮当局が携帯電話サービスを全面的に中断し、約1万台の携帯電話を回収した点も疑問を深めた。爆発現場付近にテープで巻かれた携帯電話機が発見されたという主張もあり、北朝鮮が携帯電話を起爆装置として使用した可能性を疑ったのではという解釈が出てきた。
反論も存在する。モサドの介入を立証する具体的かつ客観的な証拠は現在まで公開されていない。提起された状況もほとんどが間接的であり、推論に基づいている。にもかかわらず、なぜこのようなことが繰り返されるのか。
【コラム】金正恩、暗殺の恐怖で眠れず…22年前の「竜川駅爆発」ミステリー(2)
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