開城工業団地閉鎖10年を控えた9日、京畿道坡州市の南北境界地域から眺めた開城工業団地一帯。[写真 聯合ニュース]
統一部はこの日発表した立場文で、「開城工業団地は南北境界地域の経済発展だけでなく南北共同成長に向けた代表的実践空間であり、最も模範的な『統一の実験場』だった。2016年2月に韓国が一方的に工業団地を全面中断したのは南北間の相互信頼と共同成長の土台を自ら傷つける自害行為だった」と主張した。
続けて「南北が2013年8月に『情勢と関係なく工業団地の正常運営を保障する』という合意を締結したにもかかわらず、2016年2月に韓国政府が一方的に工業団地を全面中断したことは相互信頼の基盤を傷つける決定だった。とても残念に思い深刻な遺憾を示す」と明らかにした。
また、統一部は金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が2019年1月に新年辞を通じ「何の前提条件や代価なく開城工業団地を再開する用意がある」と明らかにしたことに触れ、「韓国側は何の相応措置も取ることができず再稼働の決定的機会を逃した」とも指摘した。
北朝鮮に向けては「開城工業団地の早急な正常化を希望」するとしながら、「まず長期間断絶した南北間の連絡チャンネルを復元し、開城工業団地再稼働問題と崩壊した南北間の信頼を回復するための多方面の疎通と対話が再開されるのを期待する」と強調した。その上で「内部的には国会との緊密な協力を通じて2024年に解散した開城工業地区支援財団を早期に復元させることにより開城工業団地再稼働に向けた制度的準備を体系的にしていく予定」とした。
鄭長官は昨年10月の国会外交統一委員会の国政監査でも開城工業団地再稼働への意志を明らかにしている。「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権当時に解散し清算法人だけ残った開城工業地区支援財団の復元を推進している」と言及しながらだ。
統一部はまた、中断の長期化で精神的・物質的被害を受けた企業に対しては「重い責任感を持っている。関係官庁との協議を通じ企業の経営安定などに向けた多角的な案を講じていく計画」と明らかにした。統一部次元で開城工業団地進出企業に遺憾のコメントを出したのは今回が初めてだ。
朴槿恵(パク・クネ)政権は2016年2月に「開城工業団地の賃金など北朝鮮に流入した現金が大量破壊兵器(WMD)に使われているという懸念がある」として工業団地の全面稼働中断を決めた。統一部が信頼毀損に言及したのもこの措置を念頭に置いたものとみられる。ただ統一部は開城工業団地稼動中断の直接的な原因になった同年1月の北朝鮮の4回目の核実験と同年2月の長距離ミサイル挑発に対しては言及しなかった。
当時も中断決定がとても性急だったとの懸念は出たが、北朝鮮が高強度の挑発を継続する中で開城工業団地閉鎖は結局避けられないという見方が多かった。韓米が求心点になり北朝鮮制裁強化など国際社会の団結した対応を引き出さなければならない状況で北朝鮮に現金が供給される開城工業団地を維持し続けるのは難しかったためだ。実際に当時中国とロシアが「韓国は開城工業団地に手を付けずなぜわれわれにだけ制裁に参加するよう要求するのか」という趣旨で問題を提起し韓国政府が電撃的に中断を決めたというのが関連事情に明るい複数の消息筋の話だ。
統一部の立場が現実的でないという指摘もそれで出ている。開城工業団地閉鎖後に対北朝鮮制裁がより強化され北朝鮮との合弁事業や金融取引などはほとんど閉ざされているためだ。北朝鮮がこれまで開城工業団地を無断で稼動する状況も数回とらえられている。
統一部当局者は「現在の制裁を否認することはできない」としてまず南北間で再稼働に向けた協議に着手し、米国や国連と制裁問題協議に出るべきと話した。
この記事を読んで…