韓国総合株価指数(KOSPI)は5000ポイント台に乗り、一大飛躍を成し遂げているが、実物経済は停滞の沼から抜け出せずにいる。[中央フォト]
世の中の温もりがすべての場所に等しく広がることは、なかなか簡単なことではない。ある場所は溢れんばかりの豊かさを満喫する一方で、ある場所は凍てつくような欠乏に耐えなければならないというのが、私たちが直面している現実だ。昨今の株式市場と実物経済の関係もまた然りだ。韓国総合株価指数(KOSPI)は5000ポイント台に乗り、一大飛躍を成し遂げているが、実物経済は停滞の沼から抜け出せずにいる。市場の歓喜と街の溜息が共存するこの奇妙な風景は「株価と景気の乖離」という問題意識を生み、さらには実物経済の裏付けのない上昇が持続可能なのかという「株式市場バブル論」の言説を支える土台となっている。
◇構造的低成長局面に突入した韓国
「景気と株価」の乖離には共感するが、「株式市場バブル論」には同意しない。一般的に言われる景気と、株式市場が注目する企業業績は異なるためだ。まず景気について見てみよう。国内総生産(GDP)基準で見れば、景気は良くない。昨年の韓国のGDP成長率は1%にかろうじて届く程度だった。本格的な開発年代に突入した1960年代以降、5番目に低い成長率だ。今年のGDP成長率の見通しは2%と、潜在成長率水準への回復が予想されるが、これもまた長期的な流れから見れば例外的に低水準だ。過去の成長率ショックが「第2次オイルショック」や「IMF通貨危機」、「世界金融危機」、「コロナパンデミック」といった一回性の悪材料に反応した結果であったとすると、最近の成長率鈍化は特別な外部衝撃なしに現れているという点で、より構造的な性格が強いと見るべきだ。
GDPは「国内総生産」という名の通り、一国の領土内で行われる経済活動を合算した指標だ。内需景気をはかるのに適した物差しという意味でもある。民間消費と政府支出、建設および設備投資など、内需と直結した項目がその骨組みを構成している。2025年の韓国GDPを構成した項目のうち、最も大きな比重を占めたのは民間消費で、全体の48%に達する。政府支出(22%)がそれに続き、建設投資と設備投資がそれぞれ11.2%、9.5%を占める。これらの項目はいずれも国内で発生する経済活動であり、韓国GDPの90%以上は内需で説明することができる。
韓国の内需の未来は明るくない。経済の最大の柱である民間消費は、不動産へと流れ込んだ家計負債の重さに押しつぶされている。借金をして工面した資金が住宅に縛られている状況で、銀行に元利金を返済しているため、消費を増す余力がない。後発開発国として成し遂げた現代的なインフラは、逆説的に建設投資の限界を明確にしている。過去のような大規模な土木事業を通じた浮揚策は、もはや有効ではない。最近の韓国GDP成長率の急速な鈍化をもたらした直接的な理由も、建設投資の不振だ。GDP勘定の建設投資は、2021〜25年に史上初の5年連続減少を記録した。
痛恨の極みは、企業の設備投資が向かっている方向だ。大企業の投資サイクルはいまだ旺盛に回っているが、その視線は国外に向いている。特に米国と約束した3500億ドル(約55億円)規模の大規模投資は、資本流出を超えて国内製造業の空洞化に対する懸念を呼び起こしている。
◇史上最高値とは程遠い内需業種の株価
反面、輸出は内需と全く異なる。今年1月の輸出は695億ドルで、前年比34%増加した。半導体による錯覚だろうか? その通りだ。半導体輸出の好調が輸出全体を押し上げている。ただし、株式市場が半導体市況を大きく反映しているに過ぎない。2月3日の終値基準で、KOSPI(5288ポイント)は史上最高値を記録した。KOSPIの上昇を牽引(けんいん)している半導体ツートップ、サムスン電子とSKハイニックスを除いたKOSPIは、これより1000ポイント以上低い4225ポイントに留まっている。
冷え込む内需を考えれば、4200ポイント台の株価も高すぎると言っても間違いではない。しかし、内需の代表銘柄の株価は史上最高値とは程遠い。KOSPIの飲食料業種指数は2月3日基準で4653ポイントを記録している。飲食料業種指数の史上最高値は、2015年8月に記録された6299ポイントだった。10余年前に記録した史上最高値を回復できずにおり、現在の指数レベルは史上最高値の74%に過ぎない。
流通業種指数の歴史的高点は、実に1990年1月に記録され、最近の指数は最高点の67%に留まっている。繊維・衣服業種指数の歴史的高点は1994年11月に記録され、現在の指数は当時の20%水準だ。建設と紙・木材業種指数の歴史的高点は、いずれも1995年1月に形成された。現在の指数レベルは、それぞれ史上最高値の19%と15%に過ぎない。
内需を代表する業種指数は、長期的に不振の内需景気に収束してきたことが分かる。株式市場は馬鹿ではない。ここで「株式市場バブル論」という言葉は説得力を失う。内需景気で説明しがたい株価上昇がバブル論の論拠であるはずだが、内需を代表する業種の長期的成果は、バブルどころか銀行の預金利息にも及んでいないからだ。同じ理由で、KOSPIの上昇が韓国経済の明るい未来を予見する先行的なシグナルだという解釈にも同意しない。現在のKOSPIには、ただ韓国を代表する、概して輸出に競争力のある企業の業績が反映されているに過ぎない。
【コラム】史上最高値のKOSPI…サムスン電子・ハイニックス除けば4200台に過ぎず(2)
この記事を読んで…