漫画家のチェ・ギュソク氏が先月、新宿の韓国文化院でファンと交流した。[写真 韓国コンテンツ振興院]
この日、会場を埋めた日本のファン約100人は、写真撮影の間ずっと手でハートを作っていた。一般的なK-POPアイドルのファンミーティングと違っていた点は一つ。参加者たちはチェ氏に「なぜ作品を描き続けるのか。地獄とは、天使とは何か」といった重い問いを投げかけた。“漫画大国”の日本で韓国のウェブトゥーンを紹介するため、文化体育観光部と韓国コンテンツ振興院が開催した「縦に読む物語:K-WEBTOON展」のために日本を訪れたチェ氏に話を聞いた。
チェ氏は「作家としての故郷に帰ってきた気分だ」と語り、幼少期の思い出を語り始めた。慶尚南道晋州晋陽郡(キョンサンナムド・チンジュ・チンヤングン)で6人きょうだいの末っ子として生まれたチェ氏が初めて日本の漫画に触れたのは、中学2年の時だった。あだち充の漫画『タッチ』を手に取った彼は「強烈な衝撃」を受けた。チェ氏は「誇張されたアクションの代わりに、瞳の動きや通り過ぎる鳥の1コマで感情を伝える演出は、今でも心に残っている」と説明した。
キム・スジョン作家の漫画『赤ちゃん恐竜ドゥーリー』をオマージュした短編『恐竜ドゥーリー』、半地下の狭いワンルームに暮らす若者たちを描いた『湿地生態報告書』に続き、100人以上に取材して描いた『錐』(2013年)は、チェ氏に“ウェブトゥーン作家”という肩書を与えた。大型スーパーを舞台に展開する労働問題を描いたこの作品はドラマ化もされ、大きな反響を呼んだ。2019年から連載したウェブトゥーン『地獄』は、チェ氏の活動の幅をネットフリックスという新たな舞台へと広げた。大学時代の友人であるヨン・サンホ監督がドラマ化し、ネットフリックスの世界シリーズランキングで1位を記録するほど高い評価を受けた。
ウェブトゥーン『地獄』の制作過程などが紹介された展示を見たチェ氏は「日本でも自分の漫画を読んでくれる人がいるなんて、驚きでうれしい」と語った。彼は「韓国の紙の漫画産業が衰退していた当時、日本の漫画を見て育った世代が、職業的な活路として見いだした道具がウェブトゥーンだった」とし、「ウェブトゥーンを韓日両国でたくさん愛してほしい」と話した。
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