人工知能(AI)で制作された仮想モデル「ズオン・トゥイ・リン」。[写真 TikTok キャプチャー]
4日(現地時間)、ベトナムメディア「VNエクスプレス」によると、最近ファッションモデル「ズオン・トゥイ・リン」が実在の人物ではなくAI仮想キャラクターであることが判明した。
◇ショッピングモール運営者が作ったAIモデル…「実際のモデル費用が高くて」
この仮想モデルは、ハノイに居住するグァンドンさん(23)が生成型AIツールや映像生成AIなどを活用して開発した。
過去に衣料専門の電子商取引(EC)ショッピングモールを運営していたグァンドンさんは、最大の負担として高いモデルのキャスティング費用と不確実な宣伝効果を挙げた。彼は撮影費用の負担を減らすため、昨年末から仮想モデルの制作を本格的に試みた。東洋的な顔立ちと白い肌、「お嬢様」のような雰囲気を備えたキャラクターとしてリンを設定し、自身が販売する衣料のコンセプトに合わせた。
グァンドンさんは複数の生成型AIツールを組み合わせて、実際の製品写真や生地の質感、ドレープ感まで反映したイメージを具現化しており、実際の商品のとの類似度は95%以上に達すると明らかにした。
その結果、ズオン・トゥイ・リンの映像は1カ月で数百万回の再生回数を記録した。何を着ても似合うため、1日100~200件の注文が成立したとグァンドンさんは伝えた。
グァンドンさんは「AIモデル導入の初月だけで3億ドン(約180万円)以上の売上を記録した」とし、「過去には多くの時間がかかっていたコンテンツ制作時間が、現在は5~10分に短縮され、1日15~20本の映像をアップロードしている」と語った。
◇マーケティング現場に拡散するAIモデル
マーケティング専門家のグエン・タイン・ナムさん(31)もAIモデルを活用して製品レビュー映像を制作し、収益を創出している。グエンさんは「単に美しい顔立ちだけではなく、細かな表情の変化や口の動きなど『魂』を吹き込むことが大切」とし、「1件あたり100万~500万ドンの広告制作収益を上げている」と明かした。
昨年、ベトナムの電子商取引市場の規模は前年比25%以上成長し、関連市場の成長速度は世界で最も速い10大国の一つと評価されるとメディアは分析した。これに伴い、AIベースの仮想モデル産業も急速に拡大している。
このような流れの中で、ベトナムではAI仮想モデルの制作を教えるコーチングサービスや制作代行業も登場した。ハノイで活動するある講師は「今年1月だけで150人の受講生が集まるなど、前月比で需要が2倍以上急増した」と伝えた。
◇倫理・法的問題に対する警告も
専門家は、AI仮想モデルの拡散は避けられない流れであると診断しながらも、法的・倫理的問題を警告している。FPTスマートクラウド傘下のビジョンセンターのグエン・バオ・チュン・センター長は「他人の顔やイメージを無断で活用してAIを学習させる行為は、法的紛争につながる可能性がある」とし、「AI生成コンテンツに対する表示義務や著作権侵害、詐欺行為に対する制度整備が必要だ」と強調した。
◇「AIは現実の感情まで代替することはできない」
グァンドンさんは、仮想モデルの人気が高まった後、消費者をだましたという批判を受けることもあったと明かした。グァンドンさんは「コンテンツがAIで制作されたという事実を常に公開している」とし、「AIが人間より完璧に見えることはあるが、現実の経験や感情まで代替することはできない」と語った。
現在もズオン・トゥイ・リンのティックトック(TikTok)アカウントには、毎日数百件の購入問い合わせや面会希望のメッセージが続いており、利用者の相当数は該当モデルが実在の人物ではなくAIで生成された仮想キャラクターである事実を認識できていないという。
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