ケビン・ウォーシュ氏が次期FRB議長に指名された先月30日、銀をはじめとする資産市場が大きく揺れた。彼がタカ派(通貨緊縮選好)性向という分析が出てきてだ。[写真 ロイター=聯合ニュース]
産業用需要の核心は電機・電子部門で、銀需要全体の40.53%に達する。太陽光産業は世界の銀供給量の20%に達する量を使い銀需要を牽引している。最近ではAIブームでサーバーインフラ構築に必要な高性能コネクター、半導体パッケージング、5G通信装備などに向けた銀需要が高まった。世界半導体市場統計(WSTS)は「AIブームが銀需要の新たなゲームチェンジャーに浮上した」と分析した。電気自動車もやはり1台当たり約25~50グラムとエンジン車より2倍以上の銀を必要とする。英メタルズフォーカスは「電気自動車の電装部品と充電インフラが拡大し、電気自動車・自動運転自動車分野の銀需要は年平均3.4%以上の堅固な成長を維持している」と分析した。
銀需要が高まっているが、供給は不安定だ。昨年シルバーインスティテュートが発刊した報告書によると、実際に世界の銀生産量の半分以上をメキシコ(24%)、ペルー(14%)、中国(13%)の上位3カ国が事実上寡占している。銀は化学的安定性が低く腐食と変質に弱い上に、産業用として活用した銀はリサイクルも容易でない。
市場が揺れ動くいま銀を売るべきだろうか、そうでなければ買う機会にするべきだろうか。専門家らの意見は「短期混調、長期強勢」に要約される。今後1~3カ月までは先月末の大規模マージンコールの余波と米国の通貨政策にともなうドル相場の変動が大きく保守的に接近しなければならないという見方だ。未来アセット証券のソ・サンヨン研究員は「最近金・銀価格は中国発の投機資本とCTAファンド、個人ETF投資家などの影響で類例のない変動性を見せている」と分析した。JPモルガン・チェースも最近の報告書で「銀が当分支持線を見いだせるか見守らなければならない。結論は取引が過度に過熱されたということ」と分析した。
だが長期観点では楽観論が出ている。AIをはじめとする産業用銀消費が続き、これに代わる鉱物がないためだ。サムスン証券のオク・ジフェ研究員は「銀は亜鉛や銅の製錬で出る副産物で生産量を増やすのに限界がある。主要輸出国である中国が先月銀の輸出統制を強化するなど地政学的リスクも供給量を制限する。これに対し銀需要は毎年拡大する傾向」と分析した。
金と比べた銀の相対的価値を示す「金銀比価」に注目しろという助言もある。3日基準で金価格は銀の57.34倍で、歴史的平均値である59.46を突破して下がってきた。市場では80倍以上の場合に銀が低評価され金に比べ銀が安いと受け止める。昨年100倍に迫ったことと比較すると、現在の銀は相対的に高く評価されているというシグナルだ。ただ2011年の金銀比価の約32倍と比較すると依然として余力があるという分析もある。最近シティーグループは「金・銀価格の比率が2011年水準まで下がれば銀価格は1オンス当たり170ドルに到達する」と分析した。
このほかにも最近は価格を決める要素が中国・インドの投資需要、米国の重要鉱物指定、ロンドン現物市場の品薄によるショートスクイーズなどと多い。国際情勢に影響を受ける安全資産である点も考慮要素だ。ただ専門家らは銀が「悪魔の金属」と呼ばれるほど変動性が深刻なだけに、分割買い方式でアプローチすることを勧告する。梨花(イファ)女子大学経済学科の石秉勲(ソク・ビョンフン)教授は「銀市場の規模は金など他の資産と比較するととても少なく変動性が大きくならざるをえない。国際情勢などの影響を受けるだけに投機目的の需要である場合、段階的なアプローチが必要だ」と助言した。
30%急落、シルバーパニックに注文取り消しの問い合わせ…銀、いま売るべきか買うべきか(1)
この記事を読んで…