歌手兼女優のソヒョン。[写真:クムENT]
--意外な挑戦だ。
「クラシックは私の初恋だ。子供のころ、母がピアノ教室を運営していたので、かつてはピアニストが夢だった。巡り巡って、再び初恋のもとに戻ってきた」
--なぜクラシックなのか。
「2年前、ピアニストのイム・ユンチャンの演奏を見たのがきっかけだった。弾きたい曲があまりにも多くて、手当たり次第に楽譜を買い集めてがむしゃらに練習に明け暮れた。モーツァルトのソナタ第9番、ベートーベンのピアノ協奏曲第3番、ショパンの「『ドン・ジョヴァンニ』の主題による変奏曲」……。朝に練習を始めると、いつの間にか夜になっていた。一日に10時間、ずっとピアノを弾いていたら、靭帯の使いすぎで10本の指すべてに炎症が起きてしまった」
--今はどうか。
「意欲ばかりが先走って無理をすることがないようにしている。今は30分ごとにアラームをセットし、決められた休息を取っている。それでも指を曲げるたびに痛みを感じるので、左手の薬指には支持具(サポーター)をつけている。練習時間以外は最大限指を使わないようにするために、私が考えたアイデアだ」
ソヒョンがバイオリンを学んだのは、小学校時代の4年間と、この5カ月間だ。本格的に練習するために自宅に防音設備も設置した。「昨年見たバイオリニストのヤン・インモ、ジャニーヌ・ヤンセンの公演が、私の中の情熱を呼び覚ました」と彼女は言う。
--バイオリンの魅力は何か。
「正直なところ。とても繊細な楽器なので、温度や湿度に敏感に反応する。ある日は音がこもっていて『この子、気分が落ち込んでいるのかな』と思うこともあれば、ある日はその鋭い音に『怒っているんだな』と感じることもある。赤ちゃんをあやすように、楽器のコンディションにひたすら集中しなければならない」
ソヒョンに協奏を勧めたのは、彼女が師事しているバイオリニストのキム・ヒョンジョン氏だ。曲目もアマチュアが演奏するには一癖も二癖もある『チャールダーシュ』だ。「荷が重い」と言うソヒョンに対し、キム・ヒョンジョン氏は「アマチュアたちが一緒に楽しむ舞台の趣旨に力を添えることができる」と説得した。
--難しい選曲だ。
「本当に大きな“人生の挑戦”だ。勇気がなくては演奏が不可能な曲だ。しかし、せっかく舞台に立つのであれば、自分が本当に愛している曲で、本格的な挑戦をしてみたかった」
--協演が優遇ではないかという論争もある。
「志さえあれば誰でも参加できるのが、アマチュア舞台の価値であり魅力だ。私も実力不足ではあるが、舞台への真摯な気持ちを伝えるべく最善を尽くして準備している。むしろ今回の機会に、こうしたアマチュア公演やオーケストラが存在するという事実がより多くの方に知られたようでうれしい。私の挑戦が、他の誰かにとってクラシックを身近に触れるきっかけになるなら、それだけで意味がある」
ソヒョンは「ダンス歌手とクラシック演奏の分野は全く異なるが、どの舞台であれ、熾烈な努力と準備過程の本質は同じだ」とし、「これからも挑戦は続くと思う」と語った。
--今回の演奏の目標は。
「私と団員たちが音楽を通じて感じる幸せと情熱が、観客の皆さんにそのまま伝わることだ。音楽は私にとって、最も深い安らぎを与えてくれる存在だ。人生は一度きりなので、一瞬一瞬を後悔なく、自分が愛するものに真心を尽くして生きていきたい」
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