変曲点に立った国際秩序、力の衝突と経済安全保障…韓国の国家戦略新たに設計しなくては
こうした楽観は2014年のロシアによるクリミア半島併合を基点に崩れた。経済的相互依存は戦争を防ぐ盾にならないという国際政治の素顔があらわれたのだ。その後世界は富と権力が結合する経済安全保障の時代に回帰している。それ以前は金だけ稼げれば良かったが、いまは半導体がミサイルの目になり、レアアースと技術は相手を屈服させる武器になった。効率中心の市場資本主義が退潮し冷酷な力の論理と富国強兵の秩序が再び開かれている。
国際秩序は事実、国同士の競争と勢力争いが本質だが、秩序の基準が規範から力に変わったのだ。既存の覇権国と新興強大国の争いが激しくなり国同士の関係が分離化、政治化している。その結果、多国間主義がさらに無力になり、国際秩序が弱肉強食のジャングルに変わるという懸念が大きい。その底辺には経済地形の変化が位置している。ミラノビッチの「エレファント・カーブ」が示唆するように、世界化は後進国の成長を助けたが先進国中産層の所得停滞と分配悪化を引き起こした。親より貧しくなった子ども世代の憤怒は世界化に対する反感を育て、英国の欧州連合(EU)離脱、トランプ政権発足、欧州極右勢力の浮上など政治的地殻変動につながった。
世界のリーダーを自任してきた米国の態度変化は秩序転換を加速したトリガーだ。これまで米国が世界化と多国間主義を支持した理由は自国の利益に合致したためだ。しかし慢性的な財政赤字と貿易赤字に疲弊し、中国の浮上で覇権国の地位が挑戦を受ける状況に至り、米国は世界秩序を支える「世界的保険提供者」の役割を下ろした。さらに進んで自国の安全保障と利益のためならば周辺国の主権を侵害する行動をはばからず、力を利用して同盟と敵対国すべてを圧迫する「利益抽出者」に変貌している。米国優先主義を前面に押し出した国家安全保障戦略(NSS)はこうした認識を端的に見せる。米国のリーダーシップと信頼喪失費用を懸念する見方もあるが、秩序再編を時間の問題とする見方がもっと多い。
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