2022年北京冬季五輪のフィギュア・アイスダンスで金メダルを獲得した当時のガブリエラ・パパダキスとギヨーム・シゼロン。AFP=聯合ニュース
五輪が開幕する前から、これらトップクラスの元選手解説者よりも大きな話題を集めている解説者がいる。当初82人の中に含まれていたが、土壇場で解説陣から解嘱されたガブリエラ・パパダキス(31・フランス)がその主人公だ。パパダキスは前回大会である2022年北京冬季五輪のフィギュア・アイスダンス金メダリストだ。パパダキスが最近出版した自叙伝『Pour ne pas disparaître(消え去らないために)』が火種となった。
パパダキスはこの本の中で、長年のパートナーだったギヨーム・シゼロン(32・フランス)について否定的に記述した。外信によると、パパダキスは本の中でシゼロンを「支配的で要求の多いパートナー」「関係において優位に立とうとした人物」などと描写した。これに対しシゼロンは、内容は「虚偽の事実であり中傷だ」として自叙伝の流通を停止するよう要求した。シゼロンは今回のミラノ大会では、新たなパートナーであるロランス・フルニエ・ボードリー(33・カナダ)とコンビを組む予定だ。
パパダキスとシゼロンの間の紛争が拡大すると、NBCは利益相反の問題を理由にパパダキスを解説陣から解雇した。「(自叙伝の出版という)パパダキスの個人的な権利は尊重する。しかし、本の内容が今回の五輪中継における公正さと中立性に影響を与える可能性がある。我々の責任は視聴者に偏りのない情報を提供することだ」というのがNBCの説明だ。
スポーツ界、特に米国のスポーツ界において、引退した選手の自叙伝出版は珍しいことではない。内容を巡る争いも珍しくはない。パパダキスを解雇したNBCの措置について「異例」という評価が出ているのはこのためだ。実際にスポーツスター出身の解説者の場合、現役時代にライバル関係にあった相手の出場試合を解説するケースは枚挙にいとまがない。「NBCが(パパダキスに対して)相対的に厳しい判断基準を適用した」という批判も出ている。
自叙伝を巡って反目し合っているが、パパダキスとシゼロンは現役時代「最高のコンビ」として名を馳せた。二人は北京五輪の金メダルに先立ち、2018年平昌(ピョンチャン)冬季五輪では銀メダルを勝ち取った。特に平昌では、演技中にパパダキスの衣装の留め具が外れ、身体の一部がはだける事故が起きた。シゼロンの冷静な対処の中でパパダキスは無事に演技を終え、最終的に表彰台に上った。二人は世界選手権と欧州選手権でもそれぞれ5回ずつ優勝している。
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