ドナルド・トランプ大統領。AP=聯合ニュース
低金利と同じくらいトランプ氏が執着しているのが「低油価」だ。同氏は国際原油価格を1バレルあたり40〜50ドル水準に維持すべきだと主張し、OPECに対して増産を迫ってきた。OPECが思うように動かないと判断すると、今度はベネズエラをテコにしようとしている。ベネズエラの原油開発に米国の石油会社を参入させて影響力を強め、生産を拡大させるというのがトランプ氏の構想だ。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はJ.P.モルガンを引用し、「ベネズエラがトランプ氏の手中に収まることで、米国が全世界の石油埋蔵量の30%を掌握する可能性がある」と報じた。米国とベネズエラ、そして米大手企業が石油産業を掌握している南米の産油国ガイアナの埋蔵量まで合算した数値だ。さらにトランプ氏は9日、メジャー石油会社の経営陣をホワイトハウスに招集した場で、「米国とベネズエラの原油保有量を合わせれば全世界の55%に達する」と述べ、投資への参加を促した。
J.P.モルガンは「米国が世界の石油市場でより大きな影響力を行使できるようになるだろう」とし、「国際原油価格を歴史的な低水準に抑え込み、米国のエネルギー安全保障を強化する一方で、国際エネルギー市場の覇権構造を再編する可能性がある」と分析した。
創設メンバー国であるベネズエラがトランプ氏の手中に落ちることで、OPECが解くべき方程式はさらに複雑になった。WSJは「米国やブラジル、ガイアナなどが石油増産に踏み切っており、OPECの影響力はすでに低下傾向にある」と指摘した。こうした状況下で、原油価格を下支えするために減産を選択すれば、市場シェアと収益の減少は避けられない。増産を迫ってきたトランプ氏とも対立することになる。逆に生産量を増やせば、原油価格はさらに下落する。
◇「石油の武器化」を果たした70年代、OPECの黄金期
グローバル原油市場のヘゲモニーを巡る長い歴史の核心は、供給管理を通じた価格統制にある。その代表例が米国のロックフェラー家によるスタンダード・オイル・トラストだ。19世紀半ばに米ペンシルベニア州で初の商業油田が発見されてから、1911年に解体されるまで米国の石油産業を掌握し、供給を管理した。解体されたスタンダード・オイル・トラストは主要な国際石油メジャーへと分かれ、グローバル石油市場の主要プレイヤーとなった。
国際石油秩序を二分していた米国と英国の庇護の下、第二次世界大戦後の中東の石油覇権は「セブン・シスターズ」と呼ばれる7大国際石油メジャーが掌握した。彼らは中東での石油生産と精製・流通を担当し、原油販売利益の半分を手にし、産油国政府は税金とロイヤリティという形で収益の配分を受けた。石油会社と産油国が収益を5対5で分かち合う「折半原則」の形だった。
問題は、セブン・シスターズが一方的に決定した「原油公示価格」だった。当時、産油国と石油会社間の収益分配は公示価格を基準に行われていたため、公示価格を下げれば産油国の収益は減らざるを得なかった。西欧列強と石油会社が占める利権を取り戻すため、産油国が共同戦線を構築し、存在感の強化に乗り出した。それがOPECの登場だ。
OPECは1960年9月、サウジアラビア、ベネズエラ、イラン、イラク、クウェートの5カ国によって結成された。これら5カ国が当時の原油輸出に占める比率は80%に達していたが、初期の影響力は大きくなかった。原油の供給過剰に加え、石油の開発と販売に必要な資本や技術などを石油メジャーに依存せざるを得ない構造的問題のためだった。
1970年代に入り、OPECは黄金期を迎える。米国の原油需要が増大するにつれ、OPECの価格交渉力が強まり始めた。「石油の武器化」が引き起こした石油ショックを経て、原油価格は急騰した。石油産業の主導権は産油国へと移った。全世界の石油生産量の半分を占めるOPECが、国際原油価格を左右するようになったのだ。
【コラム】ベネズエラをテコにするトランプ氏、OPECの統制力は弱まる模様(2)
この記事を読んで…