グリーンランド自治領の首都ヌークで17日(現地時間)、米国のグリーンランド統制主張と関連発言に反対するデモが開かれた中、グリーンランド自治政府のイェンスフレデリック・ニールセン首相がデモ現場に立っている。 [新華社通信=聯合ニュース]
デンマークのメッテ・フレデリクセン首相が述べた最近のこの警告には「砂粒NATO」の現実が反映されている。トランプ米大統領が同じNATO加盟国であるデンマーク領のグリーンランドを占有すると主張し、第2次世界大戦以降に西側の安保を支えてきた70年同盟が外部の脅威でなく「内部衝突」により試されている。劇的な突破口が開かれない限り、NATOの2本の軸である米国と欧州の一方が大きな打撃を受けるしかない状況だ。今後も同盟を維持することが可能かという懸念の声も出ている。
◆他国の領土も「取引の技術」…グリーンランドを売り物と見るトランプ大統領
グリーンランドが突然、紛争の地に浮上した背景にはトランプ式の世界観がある。国境線は交渉対象であり、領土も資産になるという発想だ。トランプ米大統領は2019年にもグリーンランド購入構想を大きな不動産取引に例えたことがあった。今度は安保論理までも加えた。ホワイトハウスは「(グリーンランド占有は)北極でロシアや中国を抑止するための国家安全保障の優先課題」と主張した。
問題解決のため14日に米国とデンマーク、グリーンランドが3者会談をしたが、意見の違いを確認しただけで終わった。その直後、不安を感じたデンマークとグリーンランド自治政府がグリーンランドと近隣海域で訓練・作戦活動を拡大し、ドイツは13人の兵力を短期偵察任務で派遣した。スウェーデンとノルウェーも兵力派遣計画を相次いで出した。
こうした動きにトランプ大統領は直ちに応酬した。トランプ大統領は17日、グリーンランド併合意志に反対するデンマーク・ノルウェー・スウェーデン・フランス・ドイツ・英国・オランダ・フィンランドの欧州8カ国を相手に来月1日から10%、6月1日から25%の対米関税を課すと明らかにした。
「この関税はグリーンランドの完全で総体的な購入に関する合意がある時まで課される」という説明も加えた。
◆内部侵略者に対するマニュアルはない…NATOの胎生的限界
トランプ大統領の相次ぐ攻勢の中、NATOは沈黙を守っているところだ。その背景には胎生的な限界がある。集団防衛の核心であるNATO憲章5条は外部の攻撃を想定している。しかし同盟内で圧倒的な強者が他の加盟国を脅かす場合、これを制裁する装置は事実上ない状況だ。昨年3月に「国際安保のためにもグリーンランドが必要だ」というトランプ大統領の主張に、マルク・ルッテNATO事務総長が「この論争にNATOを引き込みたくない」と答えたのもジレンマを見せている。
フィナンシャルタイムズ(FT)は「ルッテ事務総長が重要な安保問題について異例の沈黙をしている」と指摘したが、実際には「言うべき言葉」を見つけるのが難しかったという解釈が正確だ。ある北欧外交官はFTに対し「長く我々の敵であるロシアの事案と違い、グリーンランド事案ははるかに複雑だ」とし「偉大な同盟国であるべき米国のために今はすべてのことが難しくなった」と話した。
◆数字が表す…欧州はなぜ抵抗できないのか
欧州が怒りを抱えながらも容易に対抗できない理由は安保従属が固まったためだ。NATOが公開した防衛費によると、2024年のNATO全体支出1兆4515億ドル(約229兆円)のうち米国が9350億ドルで64.4%を占める。欧州やカナダなど他の同盟国の合計より1.81倍多い。2025年の推定値でも米国は1兆5880億ドルのうち61.7%の9800億ドルと、他の加盟国の合計6079億ドルの1.61倍にのぼる。トランプ大統領が12日、SNSトゥルース・ソーシャルに「NATOを救ったのは私」と投稿したのには根拠がある。
戦略国際問題研究所(IISS)によると、米軍が欧州に提供した通常戦力と似た水準を備える場合、今後25年間、新規武器体系とプラットホーム調達費だけ2260億~3444億ドルかかり、費用総額は1兆ドルに達すると推定される。
【グローバルリポート】 70年同盟のNATO、結局はゾンビ化か…トランプ大統領が正確に突いた限界(2)
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