ラトニック米商務長官(右)が昨年3月3日に米ホワイトハウスで台湾の半導体メーカーTSMCの投資を発表している。[写真 ロイター=聯合ニュース]
関税をテコにして半導体生産基地を米国に誘致しようとする米国の戦略は15日に発表した台湾と米国の半導体交渉合意案で如実に表れている。台湾は世界1位のファウンドリー企業であるTSMCの投資2500億ドルを含め総額5000億ドル規模の半導体投資を約束した。これに対し米国は「半導体無関税クオータ」を付与した。米国内での半導体生産を増やすほど関税免税量が増える構造だ。
韓国の悩みが深まるのはまさにこの部分だ。台湾の半導体交渉が一種の基準になる恐れがあるからだ。半導体関税と関連し、韓米両国は関税交渉のファクトシートで「米国と半導体貿易量が韓国より多い国(台湾)より不利でない待遇」を明示した。しかしこうした最恵国待遇条項がむしろ韓国の半導体産業の足を引っ張る恐れがある。米国が韓国との交渉で台湾に合わせる可能性を排除できないためだ。この場合韓国の半導体産業は大きな不確実性を抱えることになる。現在韓国の半導体業界の対米投資規模はサムスン電子が370億ドル、SKハイニックスが38億7000万ドル水準で、米国の追加投資圧力がさらに激しくなる可能性がある。
青瓦台(チョンワデ、韓国大統領府)はきのう「(韓米が合意した)『不利でない待遇』の原則に基づき韓国企業に及ぼす影響が最小化するよう協議していく」と明らかにした。しかし韓国と台湾の半導体産業構造と特性が異なるだけに漠然と台湾と同等水準の合意が交渉の目標になることはあってはならないだろう。何より良いものが良いという守勢的な態度で国益を逃してはならない。米国内の半導体需要が急増する状況でトランプ政権もむやみに関税を高めるのは負担が伴うほかないだけに、韓国政府は半導体業界と固く団結し緻密な準備で協議に入らなければならない。
半導体は韓国の輸出の30%を占める主力商品で、対米輸出2位の品目だ。中国の激しい追撃に石油化学と鉄鋼など既存の主力産業が競争力を失う状況で半導体程度だけが世界舞台で競争力を発揮している。その上今後進められる対米投資にともなう外国為替市場の不安感と産業空洞化に対する危機感が大きくなっている。
事実上唯一の主力産業である半導体でまともに交渉できないまま米国の言いなりになれば韓国経済の未来は断言できない。
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