金与正(キム・ヨジョン)労働党副部長は10日、韓国の無人機が侵犯したとし、重大な主権侵害挑発だと主張した。 [中央フォト]
対北朝鮮無人機は尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領時代に北朝鮮の挑発を誘導するために送ったという調査結果が出た事実もあるだけに、慎重に接近する必要がある。下手をするとおかしな方向に事件が流れるおそれがあるからだ。それだけに韓国安保当局がやるべきことのうち最も重要なことは北朝鮮の意図を把握することだ。北朝鮮の発表によると2回の「浸透」があったが、昨年9月には黙っていながらなぜ今になって公開するのか疑問だ。そうでないことを望むが、仮に南北関係の緊張を高めて対南挑発のための名分を得るという狙いがあるのなら、安保当局は断固対応しなければいけない。同時に北朝鮮が李在明政権の意中を探ろうという戦術を展開した可能性も開いておきながら注視する必要がある。
民間団体が無人機を北朝鮮地域で飛ばしたのが事実なら、目的が何であれ直ちに中断されなければいけない。北朝鮮を刺激しておかしな方向に状況が向かう口実になり得るからだ。しかし大統領までが「平和と国家安保を脅かす重大な犯罪」と規定し、「迅速で厳正な捜査」を指示したという事実を公開的に明らかにしたのは性急な側面がある。北朝鮮が敏感に反応するからといって我々までが同じように過度な対応をしてはいけない。事案の軽重に合ったレベルで対応する必要がある。金与正副部長が出てきたからといって大統領までが動くという間違ったメッセージを北朝鮮に与えるのは決して得策でない。文在寅(ムン・ジェイン)政権当時、金与正副部長が韓国側の民間団体の対北朝鮮ビラ散布を問題視すると、政府が南北関係発展に関する法律を改正したが、これが「金与正下命法」という反発を呼んで韓国内で葛藤が生じた事例もある。
軍当局はまずこの事件が北朝鮮の敵対行為につながらないよう警戒する必要がある。しかしそれが北朝鮮側の反応を心配する姿になってはいけない。政府は民間団体が無人機を送ったかどうかなど真相を把握するものの、内密かつ慎重に進めることが求められる。同時にこの事件が南北対話の推進に悪材料になりかねないとして北朝鮮に振り回されてもならず、政府の意図に反してそのように映る口実を与えてもならない。金与正副部長は大事件のように騒いだが、相手が興奮するほど政府と安保当局は落ち着いて冷静に対応する必要がある。
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