LGエナジーソリューションのポーランド・ヴロツワフ工場 [写真 LGエナジーソリューション]
業界によると、LGエナジーソリューションは先月だけで13兆5000億ウォン(約1兆4000億円)規模の電気自動車用バッテリー供給契約が白紙になった。自動車企業フォードが電気自動車生産戦略を修正し、バッテリーパック製造企業FBPSが電気バス事業から撤退した影響だ。SKオンは「経営環境の変化」を理由に忠清南道瑞山(ソサン)第3工場の増設を延期し、フォードとの米国工場合弁体制も終了した。
事業が座礁した最も大きな原因は米国の電気自動車政策の変化だ。トランプ政権が昨年10月から電気自動車の補助金を中断すると、自動車企業は電気自動車生産規模を縮小したり新車発売計画を延期したりした。その余波は米国向け供給比率を拡大してきた韓国バッテリー業界にそのまま及んだ。
バッテリー関連会社にも飛び火した。エルアンドエフ(L&F)が2023年にテスラと結んだ3兆8000億ウォン規模の陽極材供給契約額は973万ウォンに減り、契約が事実上白紙になった。ポスコフューチャーエムはGMとの供給契約実績が80%近く減少し、SKCは陽極材事業進出自体を撤回した。業界関係者は「当分は電気自動車の需要回復が容易でない状況であるだけに、今年まで余波は続く可能性がある」と話した。
業界は上昇するリチウム価格に反騰の可能性を見いだそうとしている。韓国資源情報サービス(KOMIS)によると、リチウム価格は昨年12月30日基準で1キロあたり118元(約2640円)だった。2023年11月24日(120.5中国元)以来2年ぶりの最高水準だ。リチウムは陽極材の原価の60~70%を占める核心原料で、バッテリー価格と連動する。
電気自動車の需要が鈍化した中でリチウム価格が上がったのはエネルギー貯蔵システム(ESS)需要拡大の影響が大きい。電気をあらかじめ貯蔵して必要な時に使うESSは、人工知能(AI)データセンターの電力供給のための核心装置に浮上している。サムスン証券によると、2024年比で2027年の世界的なリチウム需要は電気自動車部門で74.3%増となる半面、ESS部門では211.9%増えると予想されている。
市場の変化に合わせて韓国国内バッテリー企業も一斉にESS用バッテリーに事業力量を集中している。すでに海外でESS用のリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーを量産してきたLGエナジーソリューションは2027年から国内の梧倉(オチャン)工場でも生産を始める計画だ。SKオンは米ジョージア州工場と国内瑞山(ソサン)工場の電気自動車用バッテリー生産ラインの一部をESS用に変える計画だ。サムスンSDIも今年から米国でLFPバッテリー生産に入る予定だ。
こうした中、1兆ウォン規模の政府の2次ESS中央契約市場事業が年初のカギになるとみられる。2月の優先交渉対象事業者の選定を控え、国内バッテリー企業は受注戦に総力を挙げる計画だ。昨年の1次事業ではサムスンSDIが全体物量の76%を、LGエナジーソリューションが残りの物量を受注した。業界関係者は「受注金額も金額だが、政府が発注する安定した需要を優先的に確保できるという点で重要性が高い」と話した。
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