仁川松島(ソンド)のサムスンバイオロジクスキャンパス キム・ギョンロク記者
◆サムスンバイオも米国で生産
サムスンバイオロジクスは22日、英グローバル製薬会社グラクソ・スミスクライン(GSK)が保有する米バイオ医薬品生産施設を引き受ける契約を締結したと明らかにした。金額は2億8000万ドル(約437億円)で、来年1-3月期の買収手続きを完了する予定だ。
GSKのロックビル生産施設は米メリーランド州バイオクラスターの中心地に位置する計6万リットル規模の原料医薬品(DS)生産施設だ。2つの製造棟で構成されていて、臨床から商業生産まで多様な規模の抗体医薬品生産を支援できるインフラを備えている。
会社は工場運営の安定性を確保するため現地人員500人全員の雇用を継承することにした。今後の中長期需要と稼働状況を考慮し、生産能力を拡大するなど追加投資も検討する方針だ。サムスンバイオロジクスのジョン・リム代表は「グローバルヘルスケア産業の発展と米国内の製造力量強化のために戦略的に買収を決定した」とし「顧客支援とバイオ医薬品の安定的な供給を強化し、現地施設の競争力を高めていく」と述べた。
その間、仁川松島(ソンド)で製品全量を生産してきたサムスンバイオロジクスは今回の件で韓国と米国を連結する二元化した生産体系を構築することになった。何よりも米国の医薬品関税を避けることになった。サムスンバイオロジクスはこの日、欧州の製薬会社と計1兆2200億ウォン(約1280億円)規模の委託生産契約3件を締結したという内容も公示した。顧客と製品名は非公開で、契約期間は2030年末までだ。
◆「関税を避ける」 米国工場を建設するバイオ企業
韓国国内の製薬・バイオ企業は最近、医薬品の関税を避けるために米現地生産施設の確保を進めてきた。11月に締結された韓米関税交渉に基づき、ジェネリック医薬品を除いた輸出医薬品に15%の関税が適用される予定であるからだ。
セルトリオンは9月、米イーライリリーと約4600億ウォンで米国現地生産施設の買収契約を締結した。セルトリオンは米国工場を買収し、運営費用7000億ウォン・増設費7000億ウォンなど計1兆4000億ウォンを投資する計画だ。
これに先立ちSKバイオファームは2月、米国内委託生産(CMO)施設を確保し、てんかん治療薬「セノバメイト」を現地で生産中だ。ロッテバイオロジクスは2023年にBMSから米ニューヨークのラキュース工場を買収し、稼働している。
◆グローバル製薬会社9社の薬価引き下げ
米トランプ政権は医薬品関税カードを活用し、グローバル製薬会社の薬価引き下げ圧力を加えている。トランプ米大統領は19日(現地時間)、アムジェン、GSK、メルク、サノフィ、ノバルティスなどグローバル製薬会社9社の薬価引き下げ計画を発表した。これに先立ちファイザー、アストラゼネカ、イーライリリーも関連計画を明らかにした。薬価を引き下げなければ関税を課すことにした結果だ。トランプ大統領は「関税を活用していなければこのような合意も実現しなかったはず」とし「世界の国家のうち最も低い(医薬品)価格が米国に適用されるだろう」と述べた。
専門家らは医薬品政策に関するトランプ政権の基調が国内製薬会社には好材料として作用するとみている。最近、トランプ大統領は中国バイオ企業を牽制するための目的で発議された「生物保安法」に最終署名した。米政府が安保が懸念される生命工学企業と契約したり補助金などを提供したりすることを禁止する内容の法案だ。韓国国内のCDMO企業と競合する中国のWuXi AppTec、WuXi Biologicsなどが規制適用対象に挙げられる。
韓国バイオ協会バイオ経済研究センターは「米国が強く推進する医薬品関税、薬価引き下げ政策に加え、生物保安法が通過し、来年はグローバル医薬品サプライチェーンと企業間の市場競争構図に大きな波紋が予想される」とし「委託開発(CDO)分野で国内会社の恩恵を期待できるだろう」と予想した。
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