◇不動産会社恒大のデフォルトリスク拡大
投資と消費減少の主要因は萎縮した不動産市場だ。恒大(エバーグランデ)と碧桂園(カントリーガーデン)など大型不動産開発業者のデフォルト(債務不履行)にともなう不動産市場低迷が数年にわたり続いている。中国のGDPの20%ほどを占める不動産市場の不振が経済全般の足を引っ張っているのだ。
中国の不動産市場は薄氷だ。住宅価格は下落傾向が続いている。住宅需要も急減した。今年に入り売れ残り・未完工は過去最大だ。NH投資証券によると、10月の不動産投資は1年前より24.1%、住宅取引量は18.8%減少した。新規着工は29.5%、施工は9.4%、竣工面積は28.2%減った。
その上不動産市場にはまた別の大型悪材料が待機中だ。売上基準6位規模の不動産開発会社万科のデフォルトリスクが大きくなっている。15日に満期となる20億元(約442億円)規模の域内債券の償還延長案が否決された。5営業日の猶予期間内に債務を償還するか別途の合意に至らなければデフォルトに陥る。それとは別に28日には37億元規模の債務償還満期が到来する。万科の状況は侮れない。ブルームバーグによると来年6月までに満期が来る社債元利金だけで134億元に達する。だが万科の資金は底をついた状態だ。NH投資証券によると万科の負債のうち1年以内に満期が到来するものは42.7%に上る。金額は1554億元に達する。これに対し9月基準で万科が保有する現金は657億元で、短期負債解決には大きく不足する。
大株主の支援も不透明だ。万科の大株主は中国深圳の国有企業の深圳メトロだ。深圳メトロは2月から13回にかけ万科に314億6000万元の資金を支援したが、最近経営陣が交代し追加資金を投じるかは未知数だ。政府の支援がなければ万科も負債構造調整の手順を踏む可能性が大きくなるという市場の見通しも出ている。
◇対外衝撃緩和に向け内需拡大必要
不動産市場の沈滞が消費悪化を引き起こすのは中国の家計資産の70%ほどが不動産に偏っているためだ。家計の立場では住宅価格が落ちれば資産が減る格好だ。いわゆる「逆資産効果」だ。薄くなった財布は消費萎縮につながる。「消費ダウングレード」が拡散しデフレが深まっている。消費萎縮は企業収益悪化を引き起こし、賃金削減と雇用寒波などの悪循環につながる。こうした問題を防ぐために内需強化に出るほかない。
米国との貿易戦争など外部不確実性も内需主導型成長という経済構造転換に向かう理由だ。内需市場拡大と供給網改編などを通じて外部の衝撃にともなう輸出減少などの衝撃にも耐えられる陣地を構築するという布石だ。
北京大学の曹和平教授は中国国営メディアのグローバルタイムズに「中国の経済成長は輸出と投資主導型モデルに主に依存してきたが、外部不確実性増加と保護貿易主義激化、世界的なインフレ圧力の中に内需拡大が長期戦略の優先順位としての位置を確立した」と話した。
◇内需と輸出のジレンマに陥ることも
中国政府が「内需主導成長」を公式化し、習主席をはじめとする各官庁が関連政策を吐き出しているが実効性に対する疑問は相当にある。労働市場不安とセーフティネット不足などで中国の貯蓄率は依然として高く家計が財布を開くのは容易でない。経済構造上内需拡大は侮れない課題という話だ。
何より関心が集中するのは中国が内需主導成長に向け既存の輸出主導モデルをどの程度まで犠牲にできるかだ。内需と輸出の間でジレンマに陥りかねないということだ。内需拡大に向けた人民元切り上げに対する政策意志が見られない点で疑問は大きくなる。
実際に中国政府は輸出に向け内需を犠牲にしてきた。一般的に貿易黒字が大きくなれば通貨価値は上がるが人民元の動きはその反対だ。輸出を成長動力とした中国が人民元安を容認してきたためだ。ゴールドマン・サックスは人民元の価値が経済基礎体力と比べ25%ほど低評価された状態だと指摘した。
ブルームバーグなどによると、最近中国内部で人民元高の必要性に対する議論が少しずつ出ているが、輸出に及ぼす負担に耐えてまで人民元切り上げに出られるかは未知数だ。ロイターは「中国が人民元高を選択しても急激な切り上げよりは統制された方式の段階的調整を選ぶだろう」と予想した。
ハ・ヒョンオク/論説委員
【コラム】輸出増えても景気鈍化深まる…中国「内需主導成長」始動(1)
投資と消費減少の主要因は萎縮した不動産市場だ。恒大(エバーグランデ)と碧桂園(カントリーガーデン)など大型不動産開発業者のデフォルト(債務不履行)にともなう不動産市場低迷が数年にわたり続いている。中国のGDPの20%ほどを占める不動産市場の不振が経済全般の足を引っ張っているのだ。
中国の不動産市場は薄氷だ。住宅価格は下落傾向が続いている。住宅需要も急減した。今年に入り売れ残り・未完工は過去最大だ。NH投資証券によると、10月の不動産投資は1年前より24.1%、住宅取引量は18.8%減少した。新規着工は29.5%、施工は9.4%、竣工面積は28.2%減った。
その上不動産市場にはまた別の大型悪材料が待機中だ。売上基準6位規模の不動産開発会社万科のデフォルトリスクが大きくなっている。15日に満期となる20億元(約442億円)規模の域内債券の償還延長案が否決された。5営業日の猶予期間内に債務を償還するか別途の合意に至らなければデフォルトに陥る。それとは別に28日には37億元規模の債務償還満期が到来する。万科の状況は侮れない。ブルームバーグによると来年6月までに満期が来る社債元利金だけで134億元に達する。だが万科の資金は底をついた状態だ。NH投資証券によると万科の負債のうち1年以内に満期が到来するものは42.7%に上る。金額は1554億元に達する。これに対し9月基準で万科が保有する現金は657億元で、短期負債解決には大きく不足する。
大株主の支援も不透明だ。万科の大株主は中国深圳の国有企業の深圳メトロだ。深圳メトロは2月から13回にかけ万科に314億6000万元の資金を支援したが、最近経営陣が交代し追加資金を投じるかは未知数だ。政府の支援がなければ万科も負債構造調整の手順を踏む可能性が大きくなるという市場の見通しも出ている。
◇対外衝撃緩和に向け内需拡大必要
不動産市場の沈滞が消費悪化を引き起こすのは中国の家計資産の70%ほどが不動産に偏っているためだ。家計の立場では住宅価格が落ちれば資産が減る格好だ。いわゆる「逆資産効果」だ。薄くなった財布は消費萎縮につながる。「消費ダウングレード」が拡散しデフレが深まっている。消費萎縮は企業収益悪化を引き起こし、賃金削減と雇用寒波などの悪循環につながる。こうした問題を防ぐために内需強化に出るほかない。
米国との貿易戦争など外部不確実性も内需主導型成長という経済構造転換に向かう理由だ。内需市場拡大と供給網改編などを通じて外部の衝撃にともなう輸出減少などの衝撃にも耐えられる陣地を構築するという布石だ。
北京大学の曹和平教授は中国国営メディアのグローバルタイムズに「中国の経済成長は輸出と投資主導型モデルに主に依存してきたが、外部不確実性増加と保護貿易主義激化、世界的なインフレ圧力の中に内需拡大が長期戦略の優先順位としての位置を確立した」と話した。
◇内需と輸出のジレンマに陥ることも
中国政府が「内需主導成長」を公式化し、習主席をはじめとする各官庁が関連政策を吐き出しているが実効性に対する疑問は相当にある。労働市場不安とセーフティネット不足などで中国の貯蓄率は依然として高く家計が財布を開くのは容易でない。経済構造上内需拡大は侮れない課題という話だ。
何より関心が集中するのは中国が内需主導成長に向け既存の輸出主導モデルをどの程度まで犠牲にできるかだ。内需と輸出の間でジレンマに陥りかねないということだ。内需拡大に向けた人民元切り上げに対する政策意志が見られない点で疑問は大きくなる。
実際に中国政府は輸出に向け内需を犠牲にしてきた。一般的に貿易黒字が大きくなれば通貨価値は上がるが人民元の動きはその反対だ。輸出を成長動力とした中国が人民元安を容認してきたためだ。ゴールドマン・サックスは人民元の価値が経済基礎体力と比べ25%ほど低評価された状態だと指摘した。
ブルームバーグなどによると、最近中国内部で人民元高の必要性に対する議論が少しずつ出ているが、輸出に及ぼす負担に耐えてまで人民元切り上げに出られるかは未知数だ。ロイターは「中国が人民元高を選択しても急激な切り上げよりは統制された方式の段階的調整を選ぶだろう」と予想した。
ハ・ヒョンオク/論説委員
【コラム】輸出増えても景気鈍化深まる…中国「内需主導成長」始動(1)
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