2023年10月5日、映画『緑の夜』で釜山(プサン)国際映画祭(BIFF)を訪れた中国の俳優ファン・ビンビン。ソン・ボングン記者
27日(現地時間)、自由時報などによると、ファン・ビンビンは22日、台湾・台北音楽センターで開かれた「中華圏のアカデミー賞」と呼ばれる第62回金馬奨の授賞式で、マレーシアの張吉安(チャン・ジアン)監督の映画『地母』によって主演女優賞の栄誉に輝いた。ファン・ビンビンは同作で、1990年代のマレーシア農村を舞台に、夫を亡くし子どもを一人で育てる女性を細やかに演じ、高い評価を得た。ファン・ビンビンは個人的な事情を理由に現場に姿を見せず、監督が代理で受賞した。
ファン・ビンビンは翌日、微博(ウェイボー)に「600件の祝福メッセージに返事をした」「うれしくて、どこか戸惑いも感じている」と短いコメントを残したものの、該当の投稿はすぐに削除された。所属事務所が微博に残した祝賀の投稿も同様に削除された。微博をはじめ、抖音(ドウイン)、小紅書(シャオホンシュー)など中国のソーシャルメディア(SNS)では、ファン・ビンビン関連投稿の表示が相次いで制限され、一部のファンコミュニティの書き込みも削除された。
現地ネットユーザーの間では、「相変わらず続く“ファン・ビンビン消し”、怖すぎる」「誰かがリアルタイムで監視していて、投稿が上がった瞬間に削除しているようだ」「中国の芸能界を操る“見えない勢力”がいる」といった反応が上がった。その後、ファン・ビンビンはメタ・プラットフォームのSNS「Threads」を通じて再び姿を現した。彼女は長文の受賞コメントとともに、授賞式に参加した監督・俳優たちの写真を公開した。投稿は3万6000件を超える「いいね」を記録するなど、大きな反響を得た。
1998年のドラマ『還珠姫 〜プリンセスのつくりかた〜』でスターへと駆け上がったファン・ビンビンは、中華圏を代表する俳優へと成長し、ハリウッド作品『アイアンマン3』、『X-MEN: フューチャー&パスト』などにも出演した。しかし2018年、巨額の脱税スキャンダルに巻き込まれ、大衆の前から姿を消した。中国税務当局はファン・ビンビンに対し脱税調査を進め、その過程で彼女は行方をくらませた。公式の場はもちろん、日常生活でも姿を見せなくなったことから、失踪説や死亡説まで浮上した。当局は調査後、ファン・ビンビンに8億8000万元(約194億円)の罰金を科し、ファン・ビンビンは謝罪文を発表し、出演していた作品から降板した。
その後ファン・ビンビンは活動の舞台を中国国外へ移した。ハリウッド映画『355』(2022)に主演として参加し、同年には韓国に進出してJTBCドラマ『インサイダー』に特別出演した。2023年にはハン・シュアイ監督の『緑の夜』で釜山(プサン)国際映画祭を訪れた。当時ファン・ビンビンは、ここ数年の空白期間について質問を受けると、「俳優は時には時間をかけて、自分を静かに落ち着かせる必要がある」「数年間、自分を沈めて考えを整理する時間を持つことができた」と答えた。
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