19日、全羅南道木浦の海洋警察専用埠頭で旅客船「クイーンジェヌビア2号」の乗客が救助され移動している。[写真 聯合ニュース]
全羅南道新安(チョンラナムド・シナン)近くの海域で19日に座礁した旅客船「クイーンジェヌビア2号」の搭乗客だったイさんは「人が倒れるほど船が強く揺れた」と当時の状況を説明した。イさんは中央日報とのインタビューで、「船から降りる際に救助隊が差し出した手が一筋の光のように感じられた」と話した。
イさんが乗った船は19日午後4時40分に済州港を出港し木浦港到着まで40分ほど残した状況で新安近海の無人島にぶつかった。イさんは「午後8時10分ごろ大きな音がした。最初は船に積まれた自動車に問題があったのかと思うほど大きな音だった」と説明した。
状況を確認するため客室を出た。船内のコンビニでは陳列棚が倒れており、商品も散らばっていた。甲板に出て戻ってきた交際相手は「船が何かに当たったようだ」と話した。船は小さな無人島に乗り上げた状態だった。
イさんによると、放送では続けて「詳しい経緯を確認するので待ってほしい」「甲板から船内に戻り待機してほしい」と案内されたという。イさんは「セウォル号事故を思い出しとても怖かった。死ぬかもしれないと思った」と回想した。
事故直後の船内の状況に対しイさんは「初めは右往左往する人もいて、子犬を抱いて走り回る人も見た。案内室に行って『どういう状況か』と尋ねる人が多かった」と伝えた。その上で「すぐに沈没する深刻な状況ではなさそうだったが不安な雰囲気だった」と話した。
◇父親も気をもんだ3時間
驚きとともに両親のことが気になった。携帯電話の電波は良好ではなかったが父親にメッセージを送った。救命胴衣を着た自身の写真とともに「船に乗っていて事故が起こった」という内容だった。父親はメッセージでの対話中も心配し「娘よ」「大丈夫なのか」「どうなったんだ」「船から降りたか」と尋ね続けた。
午後9時20分ごろにイさんは船から降りるようにとの案内を受け他の乗客とともに列に並んだ。高齢者と痛みを訴える乗客が先に下船した。
10時57分ごろに船から降りたイさんはすぐに海洋警察の救助艇に乗せられ、日付が変わった20日午前0時20分ごろに陸地を踏むことができた。イさんは「救助船でも事故が起きないかと緊張していて全身が筋肉痛のように痛い。陸地に到着してようやく緊張が解けた」と話した。
海洋警察は事故通報から3時間10分後の午後11時27分に乗客246人全員の救助を終えた。交流サイト(SNS)などには乗客が救命胴衣を着て秩序正しく救助を待つ姿が投稿されたりもした。乗務員21人は救助艇に乗らず事故船舶に残り状況を収拾した。
この日の調査で海洋警察は事故船舶の航海責任者が携帯電話を見るなど別のことをして事故を起こしたことを確認した。海洋警察によると、航海責任者は手動で運航しなければならない区間で自動航法装置に船舶操縦を任せ、方向を変えるタイミングを失った。事故の衝撃で痛みを訴えた乗客27人が病院に運ばれたが重傷者は発生しなかった。
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