テスラが公開したソウル都心での「監督型FSD」自動運転試演の様子。[写真 テスラ]
テスラは韓米FTAを根拠に2023年以降に米国で生産された「モデルS」「モデルX」「サイバートラック」にFSDを適用し韓国で事実上の自動運転サービスを始めるとみる。韓国は古い規制の中に閉じ込められている。例えばリモート駐車機能を使う時にドライバーと車の距離を6メートルに制限した規制は技術発展と食い違う。
いま世界は自動運転と関連して2種類のAIアプローチ方式に分かれる。欧州連合(EU)は危険を事前に遮断する「事前予防原則」を固守する。「ビジョンゼロ」という目標の下で1件の事故も出さないために自動運転アルゴリズムの判断過程をすべて人が理解できなければならないと規定する。FSDは膨大なデータを通じて自ら学習し、カメラが捉えた全体の状況を同時に解釈して決定を下す。人が作った単純な規則では説明しにくい構造のためEUの規制と衝突するほかない。
米国は市場の自律に任せるが、問題が生じれば事後に制裁を加える。実際にFSDの信号違反問題が提起されると道路交通安全局(NHTSA)は約290万台を調査した。中国はそれより直接的だ。政府がソフトウエアアップデートを遠隔統制し、データの国外搬出を制限し、現地企業との協力を事実上義務化する。国が技術の主導権を握る方式だ。
韓国はどちらにも属さない。対応速度が過度に遅い。最初に、約25万人と推定される運輸業界の抵抗が強い。2番目に、規制当局は事故発生時の責任所在がはっきりしない点を懸念して決定を先送りする。3番目に、韓国企業の技術開発速度がやはり速くない。現代自動車のレベル3技術(HDP)は実際の道路の変数などを理由に導入が延期された状態だ。こうした構造では政府が海外企業の高度自動運転機能を先制的に許容し難い。
もう韓国も選択しなければならない。規制を緩和した上で米国式や中国式のアプローチのようにリスクを「受け入れ可能な範囲」で管理する方向は避けられない。そして事故責任の空白を減らすために国次元の賠償基金を設けるなど制度的補完策を検討する必要がある。
逆説的に自動運転は技術問題ではない。リスクをどのように分担するのか、そしてその決定をだれが下すのかの問題だ。最近テスラが収めた成果は韓国が決定をこれ以上先送りできない点を明確に警告する。
イ・スファ/ソウル大学ビッグデータ革新融合大学研究教授、法務法人DLG AIセンター長
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