14日、政府ソウル庁舎で韓米ファクトシート関連のブリーフィングをする金正官(キム・ジョングァン)産業通商部長官。右は呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長。 [聯合ニュース]
金長官はこの日午後、政府ソウル庁舎でブリーフィングを開き、「3500億ドルの戦略的投資運用に関する細部内容の合意に基づき『韓米戦略的投資に関する了解覚書』に署名した」と明らかにした。関連法案が今月中に国会を通過すれば、11月1日から米国が韓国産自動車・部品および木材製品に課す関税が15%に下がる。今後の賦課が予告された医薬品関税も15%に下げることにした。ただ、鉄鋼関税は依然として50%に維持される。
3500億ドル規模の戦略的投資は2000億ドルの投資と、韓国企業の直接投資(FDI)、保証、船舶金融などを含む1500億ドルの造船協力投資で構成される。まず2000億ドルの投資は為替市場負担軽減のために年間200億ドルに限度を制限し、事業進展の程度により資金要請をする方式(キャピタルコール)で支出する。韓国の為替市場不安定などが懸念される場合は納入時期や規模の調整を要求できるよう装置を設けた。
投資対象を定める際は「商業的合理性」を最優先に考慮することにした。金長官は「『商業的合理性がある投資』とは投資委が信義誠実の原則に基づき判断した場合に十分な投資金回収が保障される投資を意味する」とし「造船、エネルギー、半導体、医薬品、核心鉱物、人工知能、量子コンピューティングなど両国の経済および国家安保利益を増進させる分野に投資することにした」と説明した。
事業の選定はトランプ大統領の任期が終わる2029年1月まで進行する。米大統領が米商務長官が委員長を務める投資委員会の推薦を受けて選定するものの、投資委員会は事前に韓国の産業通商部長官が委員長である協議委員会と協議し、商業的に合理的な投資に限り米大統領に推薦することにした。
事業の推進に必要な資金は、米国の投資先選定通知を受けた日から少なくとも45営業日が経過した日に納入する。韓国側が米国の投資金納入要請を履行できない場合、米国は未納の投資金額を満たすまで韓国が受ける利子を代わりに受け、関税が引き上げられることもある。進行状況によって米国に投資するより関税を負担するのがよいと判断されれば、いつでも投資を中止できるという意味というのが、産業部側の説明だ。
米国はプロジェクト全体管理のための「投資特殊目的法人(SPV)」とプロジェクト別の「プロジェクトSPV」を設立する。政府がすでに明らかにしたように特定プロジェクトの損失を別のプロジェクト収益で補填できる「アンブレラ(傘型) SPV」性格で運営される。投資収益は元利金償還前までは韓米がそれぞれ5対5、それ以降は1対9の割合で配分する。これまで政府が説明してきた内容と同じだ。
ただ、1500億ドルの造船協力投資は収益配分方式が異なる。造船協力投資を通じて発生するすべての収益は韓国企業に帰属する。投資委員会が承認した事業に対し、韓国政府は直接または協議委員会を通じて造船分野の民間投資、保証、船舶金融などを支援することにした。その代わり米国は連邦土地賃貸、用水・電力供給、購買契約斡旋、規制手続き加速化のために努力することにした。年間対米投資額を最大200億ドル規模に限定したが、この過程でウォン安などの市場不安定に対する懸念は依然として残る。韓米両国はこの日に公開した「ジョイントファクトシート(合同説明資料)」で、「両国はMOU上の公約が市場不安定を引き起こすべきでないという相互理解に到達した」と明示した。
韓国政府が「心理的マジノ線」として守ってきたコメ・牛肉など農産物の追加開放は除外された。これら敏感品目に関して関税引き下げや物量拡大のような市場開放措置には全く言及されなかった。その代わり自動車、デジタル、農業、知識財産権、環境などの複数の分野で制度の整備と手続き簡素化措置が含まれ、非関税障壁がかなり緩和された。
すぐにも米国産車両の輸入上限(年間5万台)が撤廃される。農業分野では遺伝子組み換え生物(GMO)と園芸作物関連の輸入手続きが整備され、関連審査と導入のペースが速まると予想される。デジタルサービス分野では米国側の要求が相当部分反映され、今後、業界に大きな波及効果があるとみられる。産業部は「ネット使用料とオンラインプラットホーム規制を含むデジタルサービス関連法・政策で米国企業を差別せず、情報の国境間移転を円滑にするという原則に合意した」と明らかにした。
◆李大統領、週末に大企業総師と会談=主要20カ国・地域(G20)首脳会議出席のために17日に出国する予定の李在明(イ・ジェミョン)大統領は今週末、大企業の総師、最高経営責任者(CEO)と会って韓米関税交渉の後続措置について議論する。大統領室は14日の公示で「週末に韓米関税交渉の後続官民合同会議が開かれる予定」と明らかにした。会議出席者は李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子会長、崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長、鄭義宣(チョン・ウィソン)現代自動車グループ会長、具光謨(ク・グァンモ)LG会長、鄭基宣(チョン・ギソン)HD現代会長、徐廷珍(ソ・ジョンジン)セルトリオン会長、呂昇柱(ヨ・スンジュ)ハンファグループ副会長の7人。
今回の会議は韓米関税交渉過程での韓国企業の労苦をねぎらい、今後の履行計画と後続措置を議論するために準備されたとみられる。
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