エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が先月30日、ソウル・三成駅近くのフライドチキン店でサムスングループの李在鎔会長、現代自動車グループの鄭義宣会長との会合中に外に出て市民にチキンを分けている。キム・ギョンロク記者
7月に中国・北京での記者会見でフアンCEOに広帯域メモリー(HBM)について尋ねると、彼は「韓国の記者らの関心事はHBMだけだ」として皮肉るように話した。そんな彼が慶州(キョンジュ)では「サムスン、SKとともにHBM4を超えてHBM97までともに開発するだろう」と冗談まで飛ばした。
リップサービスの渦中にも得るものは得た。エヌビディアが26万枚のGPUに対し言及した「GB200」と「RTXPRO6000」モデルを調べると賢い販売戦略が際立って見える。両製品とも現在世界の人工知能(AI)インフラを後押しする核心製品だがカギは導入時期だ。
政府の説明通りならばエヌビディアの「優先供給」は2030年までに完了する予定だ。だがGB200は昨年3月に公開されたモデルで、エヌビディアは今年3月に性能を1.5倍高めた次世代GB300を出して量産中だ。フアンCEOは5月に訪問した中東ではGB300の供給を約束した。RTXPRO6000は今年3月に発売された最新ブラックウェルGPUモデルだが来年下半期から次世代GPUのルビンシリーズが発売される。
韓国の立場ではGPUを1日でも早く供給されるのが理想的だ。だが細部協議はもう開始段階だ。エヌビディアと契約を結んだある企業の関係者は「数年にかけて供給されるだけに最初のGPUがいつくるかは未定」と話した。エヌビディアは約15兆ウォン規模の今後5年分の量を「完売予約」しておいた形だ。もしかするとわからない在庫負担も減らした。半導体業界では供給が遅れる場合には新製品に変えて受け取ることを積極的に要求しなければならないという声が出ている。
フアンCEOは韓国出張を通じ、絶対的優位な立場としての存在感も改めて印象付けた。韓国代表企業のオーナー2人がフアンCEOとともにゲーム行事のステージに上がり肩を組んで冗談をやり取りして景品の抽選をする場面は親密な関係の結果とだけみるのは難しい。フアンCEOは「韓国が世界的AI先導国になるだろうということに疑いの余地はない」として「バラ色の未来」を残して去ったが、老練な営業マンを相手に韓国も実利を得る細かい戦略を立てなければならない。
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