10月29日、蔚山(ウルサン)の尾浦(ミポ)国家産業団地内にある「SK人工知能(AI)データセンター(DC)」建設現場で、SKエコプラントが基礎工事を進めている。[写真 SKエコプラント]
現場施工関係者は「グローバルビッグテック企業がAIデータセンター建設にしのぎを削っている状況なので、最も重視しているのはスピード」と強調した。そのうえで「骨組みの構造工事には、SKハイニックス清州(チョンジュ)工場の建設時に使用した『PSRC』工法を適用する予定」と説明した。PSRC(Pre-Fabricated Steel Reinforced Concrete)工法は、鉄骨フレームをあらかじめ工場で製作し、現場では組み立てとコンクリート打設のみを行うため、工期を約4カ月短縮できるという。
◇地上5階規模の韓国内最大のAIデータセンター
SKグループとアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)は、ここに約7兆ウォン(約7560億円)を投資する。8月に建設作業に入って以来、工事は急ピッチで進められている。地下1階を掘るだけでも最低3カ月を要するため、工期短縮のために地下なし・地上5階規模の設計とした。2027年に40メガワット規模で稼働を開始し、2029年までに合計100メガワット規模で完工する計画だ。完工時には約6万枚のGPUを収容できると見込まれている。
AIデータセンターとは、高性能AI演算のために高電力・冷却・ネットワーク能力を備えたデータセンターを意味する。GPUなど高性能サーバーを稼働させるため、一般的なデータセンターの4〜10倍の電力が必要となり、AIアクセラレータの発熱を冷却するためにサーバーラック1台あたり40〜100キロワットの冷却能力が求められる。
◇なぜ蔚山なのか
SKグループは、AIデータセンターの設立と運営のためにグループ全体の力を結集した。高帯域幅メモリー(HBM)など先端AI半導体技術はSKハイニックスが、主要設備の施工および冷却システムの効率化などインフラ構築はSKエコプラントが、データセンター建設の総括と運営はSKテレコムとSKブロードバンドが担当する。
蔚山が選ばれたのは、このようなSKグループのシナジーを集約できる場所だからだ。データセンターの向かい側には、グループ系列のSKマルチユーティリティ(SKMU)が運営する液化天然ガス(LNG)複合発電所がある。ここからエコロジカルなLNG電力を直接供給し、非常時には韓国電力(KEPCO)の電力をバックアップとして受ける電力網構造を備えることができる。通常時には韓国電力よりも安価な電力供給が可能で、LNGの発電により温室効果ガスを削減する「炭素削減型電力循環システム」の構築も可能だ。SKブロードバンドAIデータセンター技術本部長のキム・ジェソク氏は「蔚山はSKグループ生産の母胎だ」と述べ、「100メガワットからスタートするが、いつでも拡張できる用地がある」と付け加えた。
AWSも大きな期待を寄せている。実際、慶州(キョンジュ)で開催された2025年アジア太平洋経済協力(APEC)に出席するため訪韓したマット・ガーマン最高経営責任者(CEO)は、10月28日に直接現場を訪れた。
完工後のデータセンターは「コロケーション(co-location)」形態で運営される予定だ。SKグループが電力やネットワークなど各種インフラを維持・管理し、AWSがサーバールームを運用する方式だ。蔚山市とSKは今後30年間で7万8000人以上の雇用創出と25兆ウォン規模の経済効果を見込んでいる。
SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長は、エネルギー→情報通信→半導体に続くグループの第4の成長軸としてAIデータセンターを挙げている。今回の蔚山AIデータセンターを将来的に1ギガワット規模へと拡張し、北東アジア最大のAIハブに育てる構想を描いている。
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