李在明大統領が7月16日に行われた事故遺族との懇談会で梨泰院事故遺族と言葉を交わしている。[写真 大統領室]
国務調整室は梨泰院群衆事故真相究明に向け7月23日から合同監査特別作業班を運営し、警察庁、ソウル市庁、竜山区庁に対する政府合同監査を実施した。李在明(イ・ジェミョン)大統領が7月16日にセウォル号事故、梨泰院群衆事故、務安(ムアン)空港旅客機事故、五松(オソン)地下車道事故の遺族に会った際に、梨泰院の事故に対する強制捜査を指示したことを契機に特別作業班が構成された。特別作業班には国務調整室公職服務管理官室と警察庁監査官室、行政安全部監査官室が参加した。
梨泰院の事故は2022年10月29日午後10時15分ごろ、ソウル・梨泰院の路地で発生した圧死事故だ。ハロウィンなどのため梨泰院の通りを訪れた市民159人が死亡した。
国務調整室はこの日、「予想された大規模な群衆殺到に対する警察の事前の備えが明らかに不足していた。この過程で大統領室の竜山移転が影響を及ぼした」と明らかにした。続けて「大統領室の竜山移転が周辺での集会管理に向けた警備需要増加をもたらし、これにより梨泰院一帯には事故当日に警備人材が全く配置されない結果を招いたことが明らかになった」とした。警察指揮部も当時この点を知りながらも疑問を示すだけで対策を講じなかったというのが国務調整室の説明だ。
国務調整室は「実際に大統領室の竜山移転後にソウル警察庁と竜山警察署指揮部は大統領室周辺警備に優先順位を置いて人材を運用した」と伝えた。特別作業班は大統領室竜山移転後である2022年5月から10月にかけ竜山警察署管内での集会・デモは921件で前年同期の34件から26.1倍に増えていたと明らかにした。合わせて竜山警察署の監査の結果、「2020~2021年に策定していたハロウィンに備えた梨泰院の群衆管理警備計画を2022年には策定しなかった」とした。
警察が事故の後続措置として2022年11月から1年間実施した特別監察に対しても不適切だったという判断が出された。特別監察チームは捜査依頼以外の公式的な監察活動報告書を残さずに活動を終了しており、引き継ぎもしっかりとされず事故責任者が懲戒を受けることなく定年退職するよう放置したと指摘した。
ソウル市や竜山区など自治体の対応も不適切だったと評価した。
国務調整室は「竜山区庁の初期対応が不十分で事故収拾過程でも関連規定が順守されないなど総体的不良対応だった」とした。また、事故発生の初動報告体系が作動しておらず、災害安全対策本部設置、現場統合支援本部稼動などの後続措置も遅延または最初から履行していなかったと調査された。
責任者に対する懲戒も不適切に処理されたと指摘した。
ソウル市は公式な手続きを経ず内部報告だけで「懲戒保留」を決め、責任者が懲戒を受けることなく定年まで勤めた。竜山区庁は警察の捜査で職務上の不正が確認された7人に対して監査日までも懲戒などの行政処分をしていなかったことがわかった。
国務調整室は「今回の監査を通じて事故対応に責任があったり責任者の懲戒など後続措置過程で不正が確認された警察、竜山区庁、ソウル市庁の関連者62人に対して責任に相応する措置を要求する計画」と明らかにした。このうち51人は警察庁、11人はソウル市庁・竜山区庁所属だ。
国務調整室は「遺族と国民の疑惑解消の側面で少しでも役に立つことを期待する」とした。
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