20日(現地時間)、仏パリのルーブル博物館でセキュリティー職員が警備犬を連れて巡察している。 [ロイター=聯合ニュース]
21日(現地時間)のAFP通信やルモンドによると、仏捜査当局は今回の窃盗事件を熟練した組織犯罪集団が犯したと見ている。事件を捜査中のローラ・ベキュオ検事は仏ラジオ放送RTLに「強盗事件に4人が関与したことが確認されたが、彼らを支援するチームがあった可能性もある」とし、博物館の内部に「共犯」が存在する可能性も排除しなかった。捜査チームは現在60人から100人に増えたという。
一方、窃盗犯が犯行に使用したはしご車は市民から強奪したことが明らかになった。19日、犯人4人ははしご車を利用してルーブル博物館アポロンのギャラリーに侵入した後、パリ市内に落としたダイヤモンド王冠1点を除いた遺物8点を盗んで7分後に逃走した。
当時、犯人ははしご車を引っ越しのため借りるように見せかけた後、車の持ち主から強制的に車を奪って犯行に使用したと、ニューヨークタイムズ(NYT)は伝えた。こうした事実は車の持ち主が車を奪われた後、警察に届けたことで把握された。届け出があったところはパリ北側から約35キロ離れた小さな村で、名称はルーブルだった。ベキュオ検事は「偶然の一致」と話した。
◆盗難物品の価値8800万ユーロ
今回消えた王室の宝石の価値は8800万ユーロ(約155億円)と推定された。ベキュオ検事は「ルーブル博物館のキュレーターが推算した被害額は8800万ユーロ」とし「莫大な被害額だが、さらに大きな損失はフランスの歴史的遺産にある」と述べた。続いて「犯罪者がこの宝石をばらばらにしたり溶かしたりすれば8800万ユーロで売れない」とし「彼らが慎重に考え、宝石を破壊しないことを望まなければいけない」と付け加えた。
今回消えた宝石は保険に加入していない状態だった。NYTによると、フランス文化省は作品が一般的な保存場所にある場合「保険加入費用」と「事故率が低い」という点を考慮して「国家がの保険会社の役割をする」と説明した。
AFPは「窃盗事件がルーブル博物館の粗末なセキュリティー問題をめぐる論争に火をつけた」と伝えた。ルモンドはルーブル博物館内のギャラリーと棟別CCTVが不足しているうえ、装備老朽化で死角地帯が多いと指摘した。
20日、フランス会計監査院の報告書(2019~2024年)によると、ルーブル博物館のセキュリティー強化は「持続的に遅延」していて、CCTVが設置された区域は全体建物の約25%にすぎなかった。会計監査院は「ルーブル博物館の観覧客増加の影響で保護装備の老朽化速度がこれを改善する速度より速くなった」と指摘した。
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