カンボジア当局の犯罪団地取り締まりで摘発・拘禁されていた韓国人が10月18日、仁川(インチョン)国際空港第2ターミナルを通じて送還される様子。[ニュース1]
カンボジア政府の高官が10月15日、3泊4日の日程で現地を訪れた韓国政府の合同対応チームとの会談の場でこう述べたという。李在明(イ・ジェミョン)大統領の指示で急派されたこの対応チームの最優先目標は、「拘禁中の韓国人を1カ月以内に送還すること」だった。対応チームがフン・マネット首相、ソー・ソカー副首相など訪問初日にカンボジア政府の最高幹部と会い、早期送還を要請した際、昨年8月に現地の犯罪組織により拷問を受けた末殺害された韓国人大学生パクさん(22)の事件を説明する過程で、この発言が出たという。
◇「これまで韓国人やカンボジア人を狙った犯罪は公にしてこなかったが…」
ある対応チーム関係者は20日、中央日報に対し「首相など現地高官との面談では概要だけ話して終わると思っていたが、ほとんどが1時間を超えて詳細な説明や釈明が続いた」とし、「カンボジア側が国家イメージを意識し、この問題を深刻に受け止めていることを積極的に説明していた」と当時の雰囲気を伝えた。
対応チームによると、あるカンボジア高官は「両国国民の国際結婚も多く、韓国を『姻戚の国』だと思っている」と述べ、「韓国でカンボジア人を対象とした犯罪が発生しても、両国関係の重要性を考慮して外部に公表しないようにしてきた」と話したという。カンボジアはベトナム、タイ、フィリピンに次いで、東南アジア諸国の中で4番目に韓国人との国際結婚(昨年の韓国人男性と外国人女性の結婚件数に基づく統計)が多い国であり、今回の事態をめぐってカンボジアを一方的に批判する韓国の政界やメディアに対し、不満を示した格好だ。
さらにカンボジア側は、韓国国内で広がる「カンボジア嫌悪」の世論についても積極的に釈明したという。ある関係者は「最近問題となった事件のように、中国人による韓国人対象の犯罪被害は、カンボジア側からすれば『外国人同士の犯罪』だが、我々は積極的に対応し、迅速に検挙したという点を強調していた」とし、「それなのに『なぜ我々が一番非難を受けなければならないのか』という点について長く話していた」と伝えた。
訪問日程の最終日である18日には、カンボジア移民局に拘禁されていた韓国人64人の送還過程でも、カンボジア政府の積極的な支援があったという。ある関係者は「最高責任者と制服を着た職員およそ100人が整列し、送還手続きを管理・支援していた」と述べた。
しかしカンボジア政府は、現地の韓国人事件を専担する両国警察の捜査協力組織「コリアンデスク」設置の要請は最後まで受け入れなかった。その代わり、韓国とカンボジアの合同対応タスクフォース(TF)を構成し、犯罪関与者の送還に向けた情報交換を行うことで合意した。この結果については一部から、カンボジア側が最近悪化した世論だけでなく、韓国で難民資格を申請した自国反政府関係者の送還を拒否されたことへの対抗措置ではないかとの見方も出ている。韓国政府はこれまで「国際法上、難民認定を受けた者や難民申請者は本国に強制送還できない」という明確な立場を取ってきた。そのためカンボジアも、約120億ウォン(約12億6700万円)規模の「ロマンス詐欺」事件の主犯とされる30代の夫婦など、主要被疑者の送還に応じていないという分析もある。
◇「一部は帰国を拒否…対応チームの説得で搭乗に応じる」
対応チームは、送還対象者のうち帰国を拒否していた一部の人々を最後まで面談・説得し、全員を同時に送還することに成功した。64人のうち59人はカンボジア当局の取り締まりで摘発・拘禁されていた者で、残る5人は自ら救助信号を送った人々だった。送還前に自ら救助を要請した者の中にも、帰国をためらうケースがあったという。対応チームの関係者は「現地に残れば結局また犯罪に巻き込まれたり、監禁されるなどの被害を受けるおそれがあるため、現地の領事と共に最後まであきらめずに面談を重ね、最終的に韓国に連れ帰り、司法手続きを進められるようになった」と述べた。
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