テスラが2021年1月に韓国で販売を開始した「モデルY」。写真は2021年1月13日午前、ソウル・ロッテ百貨店永登浦(ヨンドゥンポ)店に展示された同モデルの様子。[ニュース1]
忠清南道洪城(チュンチョンナムド・ホンソン)に住むAさんは、今年8月、2021年式テスラ・モデル3ロングレンジを運転中に、センターディスプレイに「BMS_a079 充電不可 - サービスを予約」というメッセージが表示されているのを発見した。その後、充電容量が50%以下に制限されたため、Aさんはテスラのサービスセンターに修理を依頼し、再生バッテリー(リマンバッテリー)への無償交換を受けた。ところが、わずか8日後に同じエラーが再び表示された。Aさんは「いつまた故障するか分からないバッテリーに交換された」と嘆いた。
2021年式モデルYに乗る京畿道水原(キョンギド・スウォン)在住のBさんも、同じ「BMS_a079」エラーで今月初めにテスラのサービスセンターに車を預けたところ、「修理費2815万ウォン(約298万円)」という高額請求を受けた。累計走行距離(22万8000キロメートル)が保証限度(16万キロメートル)を超えているため、無償交換はできないという理由だった。しかも今回故障したバッテリーは、昨年5月に同じ「BMS_a079」エラーで一度交換を受けた再生バッテリーだった。Bさんは「裏切られたような気分だ」と話した。
テスラがバッテリー管理システム(BMS)のエラーをめぐり批判の的となっている。テスラは今年1〜9月に韓国で4万3637台を販売し、BMW、メルセデス・ベンツに次いで輸入車販売台数3位に上ったが、品質問題とアフターサービス対応への指摘が絶えない。
10月20日、共に民主党の朴商赫(パク・サンヒョク)議員がテスラから提出を受けた資料によると、2017年から今年9月までに韓国で販売されたテスラ車13万4429台のうち4351台(3.2%)で「BMS_a079」エラーが発生した。このうち2回以上同じエラーが起きた車両は265台だった。
主に2020〜2021年に販売された米国製モデルYとモデル3の故障頻度が高い。2021年式モデルYは計8836台が韓国で販売されたが、そのうち1800台(20.4%)で「BMS_a079」エラーが発生した。同年販売のモデル3も、販売台数8632台のうち11.5%の995台で同様のエラーが確認された。
BMSとは、バッテリーセルやパックをリアルタイムで監視し、安全性と性能を管理するシステムだ。「BMS_a079」はエラーコードの一種で、バッテリー内部で異常が発生したことを意味する。業界では、2020〜2021年の米国製テスラ車に搭載された円筒型の三元系(NCM)バッテリーセルが原因ではないかとみている。
当時、テスラは数千個の円筒型セルを接続して1つのバッテリーパックを構成していたが、セルの一部が電圧異常や破裂などで故障した場合、安全のためにBMSがエラーコードを表示し、充電を50%以下に制限する仕組みになっていた。問題のバッテリーはパナソニック製で、この一部に不良があったと業界では推定している。
こうした問題は、2022年販売のモデル3(エラー発生率1.3%)やモデルY(0.7%)ではほとんど見られない。テスラは2022年からLGエナジーソリューション製の円筒型NCMバッテリーや、中国CATL製のリン酸鉄リチウム(LFP)角形バッテリーを搭載するなど、供給先を多様化した。
問題はテスラのアフターサービス対応だ。9月現在、修理件数4637件のうち2406件(51.9%)が再生バッテリーへの交換だった。再生バッテリーとは、劣化した中古バッテリーを再生したもので、新品に比べて性能が約80%にとどまる。
テスラは米国では2021年式モデルY・モデル3の品質問題で無償修理を行ったことがあるが、韓国では自主的なリコールの動きはいまだ見られない。このため、国土交通部は8月、韓国交通安全公団自動車安全研究院に対し、テスラ車種のBMS製造欠陥の可能性について調査を依頼した。国民大学自動車運送デザイン学科のクォン・ヨンジュ教授は「今回の事態で『テスラが強気な販売姿勢を取っている』という認識が強まった」と述べ、「テスラが解決策を提示しなければ、政府が強制的にリコールを決定するしかない」と指摘した。
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