◆連合政府内の強硬派に振り回されるネタニヤフ首相
ネタニヤフ首相のドーハ空襲は無謀だった。ハマス指導部の除去が目的だったのなら長期的な計画を立てて実行するのが正しかったというのが大半の意見だ。イスラエル情報機関モサドの能力で十分に時間を置いてすることが可能なことを、周囲の反対にもかかわらず性急に敢行したことで外交的惨事を呼んだという批判がイスラエル専門家の間で出ている。「なぜ今さら」という疑問もある。直接的な理由はイスラエルのテルアビブで6人の命を奪ったバステロ事件にあるとみるが、ハマスと休戦せず戦争を続けるという意志が根本的な原因という分析が支配的だ。休戦案を議論しようとしてハマスの指導部が集まることを知って空襲したが、休戦の考えあったのなら可能なことかという見方だ。
実際、その間、ネタニヤフ首相は休戦を目の前にして何度か交渉をつぶした。人質の解放で戦争を終わらせることができたが、連立政権を構成する強硬派の声に押されて砲声を響かせ続けた。強硬派の要求を聞き入れなければ連立政権が崩れ、また選挙を行わなければいけない。ネタニヤフ首相が直ちに首相職から退けば個人不正容疑裁判が開始され、結局は監獄行きが避けられない。私益を前面に出して公益を害する無謀な戦争を継続するという批判を受けてきた。
◆サウジは中国・パキスタンと協力
ドーハ空襲をきっかけにアラブ王政国が集まるアラビア半島は主権と安保をめぐり悩むしかない。ドーハ空襲で米国が安全を保障できる国ではないという事実が明確に表れた。米国がカタールに急いで行政命令で安保保障を約束した理由だ。
米国がすんなりと手を差し出さなかったサウジアラビアはすでに多様な方法を試みてきた。中国とは外交仲裁と投資、米国とは技術と先端武器、パキスタンとは人材提供と核協力関係を構築した。イスラエルのドーハ空襲直後にあり、サウジアラビアとパキスタンの相互防衛条約はイスラエルの攻撃への対応策ではないかと疑われた。しかしこれはかなり以前から推進してきたものであり、ただ時期が微妙で空襲直後と誤解を呼んだとみられる。
もちろんイスラエルに対応する側面が全くないとは見なしがたい。イスラエルが米軍基地があるカタールを攻撃すれば、中東でイスラエルが攻撃しないところはないという懸念が強まるからだ。なぜこの時期かという疑いは容易には消えない。
◆ガザ地区の犠牲者をこれ以上なくすべき
こうした状況で先月30日、トランプ大統領は戦争を終わらせる案としてガザ和平構想20項目を提示した。ハマスの即時武装解除、収監者解放、イスラエル軍隊のガザ郊外駐留持続が骨格だが、パレスチナ国家の樹立はあいまいで不透明だ。
しかし劇的にイスラエルとハマスが和平案を受け入れて和平の道に足を踏み入れた。カギはハマスの完全武装解除だ。ひとまず人質を全員解放して順風が吹いているが、ハマスが武器を完全に手放してガザで自ら無力な存在として生きていく決心をするだろうか。パレスチナが独立国家になってこそ武器を手放すというのなら。政治的利益を前面に出して早期に終えられる戦争を長引かせてきたネタニヤフ首相、政治的目的を達成するために民間人を人質にして殺害したハマスの犯罪行為を共に非難しないわけにはいかないが、ひとまず休戦で尊い命を追加で失う心配が緩和されて幸いだ。地雷原の上の和平の道をさらに広げて全員が安全に共に暮らしていくことを祈願する。
パク・ヒョンド/西江大教授
トランプ大統領の仲裁で休戦、地雷原の上に和平の道が開かれた(1)
ネタニヤフ首相のドーハ空襲は無謀だった。ハマス指導部の除去が目的だったのなら長期的な計画を立てて実行するのが正しかったというのが大半の意見だ。イスラエル情報機関モサドの能力で十分に時間を置いてすることが可能なことを、周囲の反対にもかかわらず性急に敢行したことで外交的惨事を呼んだという批判がイスラエル専門家の間で出ている。「なぜ今さら」という疑問もある。直接的な理由はイスラエルのテルアビブで6人の命を奪ったバステロ事件にあるとみるが、ハマスと休戦せず戦争を続けるという意志が根本的な原因という分析が支配的だ。休戦案を議論しようとしてハマスの指導部が集まることを知って空襲したが、休戦の考えあったのなら可能なことかという見方だ。
実際、その間、ネタニヤフ首相は休戦を目の前にして何度か交渉をつぶした。人質の解放で戦争を終わらせることができたが、連立政権を構成する強硬派の声に押されて砲声を響かせ続けた。強硬派の要求を聞き入れなければ連立政権が崩れ、また選挙を行わなければいけない。ネタニヤフ首相が直ちに首相職から退けば個人不正容疑裁判が開始され、結局は監獄行きが避けられない。私益を前面に出して公益を害する無謀な戦争を継続するという批判を受けてきた。
◆サウジは中国・パキスタンと協力
ドーハ空襲をきっかけにアラブ王政国が集まるアラビア半島は主権と安保をめぐり悩むしかない。ドーハ空襲で米国が安全を保障できる国ではないという事実が明確に表れた。米国がカタールに急いで行政命令で安保保障を約束した理由だ。
米国がすんなりと手を差し出さなかったサウジアラビアはすでに多様な方法を試みてきた。中国とは外交仲裁と投資、米国とは技術と先端武器、パキスタンとは人材提供と核協力関係を構築した。イスラエルのドーハ空襲直後にあり、サウジアラビアとパキスタンの相互防衛条約はイスラエルの攻撃への対応策ではないかと疑われた。しかしこれはかなり以前から推進してきたものであり、ただ時期が微妙で空襲直後と誤解を呼んだとみられる。
もちろんイスラエルに対応する側面が全くないとは見なしがたい。イスラエルが米軍基地があるカタールを攻撃すれば、中東でイスラエルが攻撃しないところはないという懸念が強まるからだ。なぜこの時期かという疑いは容易には消えない。
◆ガザ地区の犠牲者をこれ以上なくすべき
こうした状況で先月30日、トランプ大統領は戦争を終わらせる案としてガザ和平構想20項目を提示した。ハマスの即時武装解除、収監者解放、イスラエル軍隊のガザ郊外駐留持続が骨格だが、パレスチナ国家の樹立はあいまいで不透明だ。
しかし劇的にイスラエルとハマスが和平案を受け入れて和平の道に足を踏み入れた。カギはハマスの完全武装解除だ。ひとまず人質を全員解放して順風が吹いているが、ハマスが武器を完全に手放してガザで自ら無力な存在として生きていく決心をするだろうか。パレスチナが独立国家になってこそ武器を手放すというのなら。政治的利益を前面に出して早期に終えられる戦争を長引かせてきたネタニヤフ首相、政治的目的を達成するために民間人を人質にして殺害したハマスの犯罪行為を共に非難しないわけにはいかないが、ひとまず休戦で尊い命を追加で失う心配が緩和されて幸いだ。地雷原の上の和平の道をさらに広げて全員が安全に共に暮らしていくことを祈願する。
パク・ヒョンド/西江大教授
トランプ大統領の仲裁で休戦、地雷原の上に和平の道が開かれた(1)
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