10月末、韓国慶州（キョンジュ）で行われる米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席の初の首脳会談を前に、中国がレアアース（希土類）カードを取り出した。中国に対して高関税や大豆購入などを圧迫している米国に対抗し、首脳会談で有利な結果を引き出すための措置とみられている。

9日、中国商務部はレアアースおよび関連技術の輸出を統制する第61号・第62号公告を発表した。商務部は同日、①海外で製造されたレアアース永久磁石素材およびレアアースターゲット素材のうち、中国産レアアースの価値が0．1％以上を占める品目 ②レアアースの採掘・精錬および分離、金属精錬などの過程で中国産技術を使用したレアアース ③中国産のサマリウム、ジスプロシウムなどのレアアース品目を輸出統制対象に含めた。


具体的には、商務部が発行する「デュアルユース（軍事用にも民間用にも利用できる物資）」輸出許可証の取得を義務づけた。第1項と第2項に対する規制は12月1日から、第3項については公告日である9日から直ちに施行される。


商務部の報道官は「一部の海外機関および個人が、中国産統制レアアース品目を軍事作戦などの敏感な分野で直接・間接的に使用するため関連機関や個人に譲渡または提供し、国家安全保障に損害が発生した」と説明した。

北京のある外交関係者は、レアアース輸出統制発表の時期について「およそ3週間後に迫った慶州での米中会談に向けた交渉カードと見ることができる」と指摘した。