ソウル瑞草区(ソチョグ)の大検察庁。大検は国務総理室傘下に設置される汎政府検察制度改革タスクフォース(TF)に10人前後の検事などを派遣し、全件送致の復活、補完捜査権の維持などに関する意見を提示する方針だ。[写真 聯合ニュース]
◇「全件送致廃止後、埋もれる事件が増える」
28日、法曹界によると、法務部と大検察庁は、1年間の猶予期間中に行われる全件送致、補完捜査権維持の議論に組織レベルで積極的に意見を出す方針だ。国務総理室傘下に設置される汎政府検察制度改革タスクフォースに派遣される10人前後の検事などを通じてだ。
国会を通過した政府組織法改正案は、捜査と起訴を分離し、検察の捜査権は行政安全部傘下に新設される重大犯罪捜査庁にすべて移し、検察庁を廃止する代わりに法務部には起訴のみ可能な公訴庁を設置するというのが骨子だ。検察の捜査・起訴権濫用問題を解決する目的で行われる、政府樹立以来78年ぶりの刑事司法システム最大の変化だ。
これに対し法曹界では、1次捜査機関(警察・国家捜査本部・重大犯罪捜査庁)が行政安全部傘下に集中し、事実上警察が捜査権を独占する体制ができあがるため、濫用に対する牽制(けんせい)装置が不可欠だという指摘が出ている。警察捜査権独占の弊害を牽制する装置の一つとして挙げられるのが、起訴・不起訴の有無にかかわらずすべての事件を公訴庁に送致する「全件送致」だ。
過去、警察はすべての事件を検察に送致したが、2021年文在寅(ムン・ジェイン)政府の検警捜査権調整の結果、警察に捜査終結権を付与し、無嫌疑処分した事件は送致しなくてもよくなった。これにより被害者が異議申し立てをした事件は検察に送致されるが、第3の告発人には異議申し立て権がない。部長検事出身のある弁護士は「警察の不送致理由書を見ると『なぜこの部分は捜査されなかったのか』と疑問が残る部分が依然としてあるのが現実」とし「警察が捜査権を独占した状況では、理不尽に埋もれる事件がないよう、最低限の牽制装置として全件送致制度を復活させるのが正しい」と述べた。
鄭成湖(チョン・ソンホ)法務部長官も15日、国会対政府質問で全件送致復活を検討してほしいという柳栄夏(ユ・ヨンハ)国民の力議員の発言に「分かった」と答え、検討意思を示していた。
◇「補完捜査権がなければ勝てる事件も敗訴する」
検事の補完捜査権存置もまた、検察が強く要求している代案だ。盧万錫(ノ・マンソク)検察総長代行も3日、「補完捜査で実体的真実を明らかにするのは検察の権限ではなく義務」という立場を明確にした。検事が警察の記録だけを見て起訴の有無を判断する場合、不十分な起訴または不起訴が乱発されかねないというのがその理由だ。起訴した場合も裁判で被告人・弁護人の主張に対処したり、適正な刑量を求刑したりすることが難しくなり、公訴維持も容易ではなくなる。
大韓弁護士協会が12~19日に会員2383人を対象に調査した結果、88.1%が検事に「補完捜査または補完捜査要求権を与えるべき」と答えた。このうち44.6%は「補完捜査要求権に補完捜査権まで付与すべき」とした。補完捜査要求権だけでは検事と警察が補完捜査要請をやりとりする「事件のピンポン」によって事件処理が遅れるだけで、最長20日の時間的制約がある拘束事件は不十分な捜査になる可能性があるためだ。高麗(コリョ)大学法学専門大学院の張永洙(チャン・ヨンス)教授は「検事に直接補完捜査する権限がなければ、捜査の不十分な部分を警察自ら補完しない可能性も大きく、手続き上混乱が生じかねない。不十分な捜査と不十分な起訴で裁判で敗訴する要因になりうる」と懸念を示した。
李在明(イ・ジェミョン)大統領も11日、就任100日記者会見で「ウジが嫌だからといって醤甕をなくすことができるか。権力は集中すれば濫用されるため、分離し牽制(けんせい)させなければならない」と述べて補完捜査権の必要性を強調した。
与党内でも補完捜査権の存廃をめぐり慎重論が提起されている。尹昊重(ユン・ホジュン)行政安全部長官も22日、国会行政安全委員会全体会議で補完捜査権存置に関連して「今後十分に議論される予定で、補完捜査権または補完捜査要求権はいずれの場合も存在することになるだろう」と述べた。
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