国連総会への出席を終えた李在明（イ・ジェミョン）大統領は25日午前（現地時間）、訪米最後の日程として米国ニューヨーク証券取引所（NYSE）でウォール街の大物投資家を一堂に集め「韓国経済説明会 投資サミット」を開催した。李大統領が強調してきた「KOSPI5000時代」を切り開くため、世界金融の中心地で直接投資説明会（IR）を行った。

ニューヨーク証券取引所を訪れた李大統領は、リン・マーチン取引所会長および役員らと歓談した。続いてマーチン会長の案内でバルコニーのベルポディウムに移動し、午前9時30分ちょうどにニューヨーク株式市場の開場を告げる開場ベルのボタンを押した。下のフロアにいたトレーダーたちは一斉に歓声と拍手を送り、李大統領を歓迎した。


その後、李大統領は主要グローバル投資会社の最高経営責任者（CEO）たちに韓国政府の核心的な経済政策を紹介し、韓国市場への積極的な投資を要請した。韓国大統領がここで投資説明会を開いたのは初めてだ。李大統領は「いまは新しい国際秩序が形成されつつあるが、新たな道を探し出していく混乱の時期でもある。我が大韓民国にとっては新しい機会を得ることになった」と述べた。


また李大統領は「大韓民国の株式市場は低評価されているのは明らかだ」とし「株価操作のような市場の不透明性に対しては厳しすぎると思われるほどに厳正に対応し、決して不当な利益を得ることはできないようにする」と強調した。今回の訪問はニューヨーク証券取引所側の要請で実現したものだ。

◇李大統領「北、体制維持に必要な核は十分に確保した模様」

李大統領はこの日、株式市場の開場を告げるベルを鳴らし、株取引の開始を知らせた。韓国大統領がニューヨーク証券取引所の打鐘行事に出席したのは、2008年の李明博（イ・ミョンバク）元大統領以来、17年ぶりだ。

李大統領は、ドナルド・トランプ米国大統領に非核化のための朝米対話を提案しながら行った発言を紹介し、韓国株式市場における地政学的リスクの解消に対して意志を示した。まず「北朝鮮は体制維持のために必要な核兵器は十分に確保したものとみられ、核爆弾を搭載して米国に到達できる大陸間弾道ミサイル（ICBM）開発も大気圏再突入技術だけを残した状況」と語った。続けて「1年に核弾頭を15～20発作れる核物質を引き続き生産しており、核爆弾製造能力も高めている」とし「懸念されるのは、北朝鮮がこれを他国に輸出する可能性が高いという点」と述べた。

さらに「追加の核物質、核弾頭生産、ICBM開発、海外輸出を中断させるだけでも相当な安保的利益がある」とし「短期的には核弾頭・核輸出・ICBM開発を中止し、長期的には非核化を推進していかなくてはならない。この交渉を行える力量と意志を持つ人物は、私が見る限り、ドナルド・トランプ米国大統領が唯一だ」と強調した。李大統領は続けて「新政府は地政学的リスクを確実に解消する考えであり、これが大韓民国株価指数に相当大きな影響を及ぼすだろう」と韓国への投資を呼びかけた。

この日の行事には、▷シティグループのジェーン・フレイザー CEO ▷ゴールドマン・サックス投資銀行部門のマーク・ナックマン共同部門長 ▷JPモルガン・チェース資産運用部門のメアリー・アードスCEO ▷ピムコのエマニュエル・ロマンCEO－－ら、ニューヨーク・ウォール街の金融大物約20人が出席した。韓国政府側からは具潤哲（ク・ユンチョル）経済副首相、李億遠（イ・オグォン）金融委員長、李粲珍（イ・チャンジン）金融監督院長、鄭恩甫（チョン・ウンボ）韓国取引所理事長が同席した。

一方、李大統領は前日、韓国大統領としては初めて国連安全保障理事会（安保理）議長資格で安保理ハイレベル公開討論（UN Security Council High－Level Open Debate）を主宰した。ニューヨーク国連本部安保理会議場で「暫定議題は『国際平和と安保維持、AIと国際平和・安保』」と述べた後、議事槌を打ち鳴らして議題を採択した。各国の発言の最初の発言者として登壇した李大統領は、慶州（キョンジュ）アジア太平洋経済協力（APEC）首脳会議に関連して「人工知能が人類の繁栄に寄与できるよう『APEC AIイニシアティブ』の採択を推進している」と紹介した。