2023年7月27日晩、首都の平壌(ピョンヤン)で祖国解放戦争(韓国戦争)勝利70周年(戦勝節)軍事パレードが行われ、北朝鮮の金正恩国務委員長は中国・ロシアの代表団と主席壇に並んだ。[ニュース1]
軍事筋と政府筋を総合すると、北朝鮮は平壌近郊の美林(ミリム)飛行場一帯で数カ月前から軍人を動員して軍事パレードを準備している。複数の情報筋は「7月初めから数万人規模の人員が識別されている」とし「党創建80周年記念軍事パレードの練習をする動きとみられる」と話した。練習に動員された人員と装備を根拠に、過去最大規模で行われた2023年2月の建軍節(北朝鮮軍創設) 75周年軍事パレード規模を上回るというのが情報筋の説明だ。
北朝鮮の立場で今回の労働党創建80周年行事は、体制の正統性と金正恩(キム・ジョンウン)委員長のリーダーシップを最大化する重要な機会となる可能性がある。朝ロ間の「包括的戦略パートナーシップに関する条約」締結と中国戦勝節(抗日戦争および反ファシスト戦争勝利80周年大会)出席などを契機に国際舞台で自信を得た金正恩委員長が自身の治績を対内外に誇示するというのが専門家らの分析だ。
軍事パレード当日には新型武器体系を公開して軍事力を誇示する可能性が高い。金正恩委員長が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「最終完結版」と主張した「火星19型」や次世代ICBMと明らかにした「火星20型」の弾頭部・推進体の一部、最新型自爆無人機などが挙げられる。
政府筋によると、北朝鮮は中国・ロシアを含む各国の関係者を招待したという。特に今年の80周年党創建日は北朝鮮が重視する5・10周年単位の行事であるだけに、中ロの出席者の「級」を高めるとみられる。ロシアはプーチン大統領の最側近、メドベージェフ国家安全保障会議副議長兼統一ロシア議長が10月に平壌を訪問すると明らかにした。中国も金正恩委員長が習近平国家主席の招待に応じて中国戦勝節行事に出席しただけに、高官級を派遣すると予想される。
この場合、中国戦勝節から1カ月後に北京から平壌に舞台を変えて朝中ロ連帯を誇示することになる。同月末に慶州(キョンジュ)で韓国主導で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を控え、これを牽制する姿にもなる。
2023年7月に開催された北朝鮮の戦勝節(朝鮮戦争停戦協定締結日) 70周年軍事パレードには、ロシアのショイグ国防相、中国の李鴻忠全人代常務委員会副委員長らが出席した。
◆北朝鮮、最高人民会議開催…「二つの国家」後続法制化がカギ
北朝鮮は前日(20日)から韓国の定期国会にあたる最高人民会議を開催したとみられるが、21日まで労働新聞など国営メディアは関連ニュースを報道していない。北朝鮮は先月19日、最高人民会議第14期第13回会議を9月20日に招集すると予告した。最高人民会議では憲法と法令の改正などを施行するだけに、金正恩委員長が指示した「敵対的な二つの国家関係」に関する後続法制化作業が行われる可能性もある。
その延長線で北朝鮮は最前方軍事境界線(MDL)一帯の要塞化作業も継続している。国会国防委員会の姜大植(カン・デシク)国民の力議員によると、北朝鮮は最前方の国境線化を常時化している。最近までMDL計250キロのうち約30%の地域に戦術道路と鉄条網を付設したことが分かった。
軍によると、最前方作業は▼地雷探知と樹木除去▼不毛地造成▼地雷埋設▼戦術道路開設▼3重鉄柵設置の5段階で進められている。MDLと近い地域は最大40メートル先、遠ければ300メートル水準で進められている。このため作業中の北朝鮮将兵がMDLを侵犯する事例も昨年から12回あった。
特に北側地域から近い北方限界線側に地雷を埋設する動きも確認されたが、これは北朝鮮の作業がMDLの要塞化だけでなく脱北を防ぐ目的もあるという軍の分析と一致する。
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