先月25日(現地時間)、韓米首脳会談を終えてトランプ大統領と記念撮影する李在明大統領 [大統領室写真記者団]
カプラン氏は「統一韓国時代への準備が必要だ」と助言した。その一方で「統一の可能性は低下した」と評価した。
--統一を実現可能な目標と見るのか。
金正恩(キム・ジョンウン)委員長の最近の発言は統一の可能性がさらに低下したことを示唆する。核兵器も政権維持のための手段だ。より現実性のある統一シナリオは金正恩政権がクーデターなどで不安定になるケースだ。北朝鮮が急激に統治不可状況になってこそ、ソウルを首都とする統一韓国(Great Korea)を期待できる。非現実的とは言わないが、統一の実現の可能性は薄れている。
--トランプ大統領の対北朝鮮対話再開に対する見通しは。
必ず金正恩との対話を試みるだろう。しかし成果を期待しない。1期目に行われた金正恩との対話をはじめ、最近プーチン大統領との対話を通じてトランプ式の会談は成果と関係がない「写真撮影用」ということが確認された。会談が成果を出すためには双方が譲歩と実益を分け合う比例性の原則が前提になるが、トランプはこのような側面に関心が全くない。
◆「李大統領、冷静な低姿勢が必要…中道を見るべき」
カプラン氏は先月の李在明大統領とトランプ国大統領の首脳会談で見せた李大統領の態度が印象的だったと述べた。そして「混乱の時期に李大統領が首脳会談で見せた低姿勢を維持するのは賢明な対処だ」と助言した。
--トランプ大統領を相手にする李大統領に助言するなら。
今のような不確実性の時代に低姿勢で臨むのはとても良いことだと考える。李大統領の性格を知らないわけではないが、今のように声を高める指導者が多い世界で李大統領が見せた態度は非常に効果的になるかもしれない。
--李大統領は韓国人勤労者拘禁事態に強硬な立場を見せた。
李大統領の悩みを理解し、彼が見せている冷静な対応を観察している。李大統領の対応は政治的に中道を目指す方向に進もうと努力するものと理解できる。言うべきことを言いながらも一線を守る形の対応は、特にトランプ政権を相手にするうえで非常に望ましいと考える。
--一部ではトランプ執権の時期さえ持ちこたえればよいという意見もある。
トランプが作った気流が永遠に新しい標準になるかは誰にも分からない。トランプ以降、J・D・バンス(副大統領)が執権すれば、トランプの時と比べて予測の可能性はやや高まっても、孤立主義と中国に焦点を合わせた外交政策の方向性は変わらないだろう。例えれば「行動的狂気」が除去されたトランプ時代となる可能性がある。中道を目指す民主党候補が当選するかもしれないが、可能性は50%未満だと考える。李大統領はこうした未来の地形を深く悩む必要がある。
◆ロバート・カプラン米国外交政策研究所(FPRI)教授
世界の碩学の中で地政学に最も精通した人物に挙げられる。ワシントンポスト、ニューヨークタイムズなど有数のメディアを通じてグローバルレベルの鋭い洞察力を伝え、「キッシンジャーに続くグローバルレベルの21世紀の地政学者」と呼ばれる。従軍記者としてイラン・イラク戦争など国際紛争を取材しながら独自の文章と洞察力で分析してきたジャーナリストでありベストセラー作家だ。フォーリンポリシーの「世界の思想家トップ100」にも2回選ばれている。
地政学の大家カプラン氏「米中ロ同時衰退の初の状況…韓国は独自の核武装を強いられている」(1)
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